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「日本のモノづくりのために」AMI 神尾翼COOが志すモノとコトの融合

200年ぶりに聴診器を進化させるべく「超聴診器」を開発するAMI株式会社にジョインするために、家族とともに鹿児島への移住を決意した神尾 翼(Tsubasa Kamio)氏。富士ゼロックス株式会社にてオフィス向け複合機の開発・試作・量産立ち上げ等エンジニアリングチェーン全般を経験した後、株式会社メディオクリタスでの製造業向けプロセス改革等のコンサル経験をふまえて、AMI株式会社のCOO兼CTOとして活躍されている神尾氏のキャリア形成、意思決定の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc. の馬場良樹(Yoshiki Baba)と申します。

私達が所属するfor Startups, Inc.では累計170名以上のCXO・経営幹部層のご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。

EVANGEは、私達がご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

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神尾 翼(Tsubasa Kamio)
慶応義塾大学大学院理工学研究科卒業後に、富士ゼロックス株式会社に新卒で入社し、オフィス向け複合機の生産技術(組立、工程設計など)を担当し、開発・試作・量産立ち上げ等エンジニアリングチェーン全般を経験。その後、製造業向けのコンサルティングサービスを提供する株式会社メディオクリタスに転職し、設計プロセス改革などのエンジニアリングチェーンに関するプロジェクトや、生産現場改革や原価見直しなど主にサプライチェーンに関するプロジェクトを担当。AMI株式会社にジョイン後は、COO兼CTOとして研究開発や、事業計画の策定・実行などを担当。

COO兼CTOとして、事業を加速させるためなら何でもやる

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-- 初めに、御社の事業・サービスと神尾さんの業務内容について教えてください。

AMIは「急激な医療革新を実現する」というミッションのもとに、超聴診器(※正式名は心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器。心電・心音の同時計測と独自アルゴリズム及びデータ処理により、心臓聴診において、周囲の環境に左右されず・精緻に・素早く医師の診断をアシストする情報を提供する)という医療機器や、遠隔聴診システム、それを元にした遠隔医療サービスの開発と社会実装を目指して事業を進めています。

私の役割は、超聴診器の開発に関しては、開発・設計からISOの対応、システム構築まで”モノづくり”に関する全般業務を担ってます。それ以外にも資金調達関係の業務や、AMIもまだベンチャーなので助成金申請のための提案書を書く、といったところまで。また、メイン業務ではないですが、人材採用だったり組織制度設計というところも携わっているので、いわゆる何でも屋みたいな立ち位置ですね。
スタートアップは人が足りないので、必要最低限のリソースで事業をまわすために自分ができることは全部やるというイメージです。

-- 元々、超聴診器というものはご存知でしたか?

正直知らなかったです。for Startupsさんに紹介されるまでAMIの存在自体わからず、HPを見てなんとなく”こういう医療機器を開発してるんだ”というところは理解したものの、実際の選考で説明を受けるまでまったくわからなかったですね。

モノとコトの融合を目指した事業展開

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-- これまで世の中にないものを広めるという観点で、事業展開していく難しさはありますか?

大きなハードルとしてはまず、資金調達の際に投資家へ説明する部分にあります。「超聴診器」は既存の医療機器とはまったく違うものなので市場の説明すら難しいですが、事業の成長ストーリーやターゲット、どれくらい売れるのかということを、わかりやすく伝えるところでとても苦労しました。

最終的には目的と手段を整理するというところに繋がりますが、「超聴診器」は医療においてどういう意義があるのか、「実現したらきっとこういう世界が出来ている」という目的に対して、これまでの開発経緯を自分の中で理解しながら、開発・設計を進めています。私は医療バックグラウンドではないので、チームにいる医師や看護師に専門的なことを聞きながら、逆に私は、モノづくりのことなら概ね理解しているので、開発や実験に関する知見を提供し、事業を進めています。

-- 転職の際に様々な選択肢がある中で、医療というテーマを選んだポイントは何でしょうか?

モノづくりやハードウェアに軸を置きつつ、いわゆるモノとコトの融合ができそうなところがいいなと思っていました。医療機器にこだわっていたわけではないですが、社会に対して価値を提供できそうだとは思っていて、加えてAIに興味があったことも大きいですね。AI医療機器っていう領域は成長していく確信があったものの、まだカタチがないところから、もしくはある程度出来上がっているカタチをモノにしていくというフェーズなので、そこの成長に携われるという点にすごく惹かれました。

-- 先ほどのお話で”モノとコトが融合する”というフレーズがありましたが、具体的にはどういうイメージなのでしょうか。

日本の製造業はモノを作ることは得意ですが、新しいモノは近年あまり生まれていません。高度経済成長期は作れば売れる時代で、新しい機能の追加や、性能の向上だけで売れてしまいました。結果として、新しいものを考える人たちがいなくなってしまった。しかし、今はそういう時代ではなくなってきているので、このタイミングで新しいモノづくりにチャレンジしてみたいなと思いました。

例えば、コトというのはAIだけでなく、「超聴診器」を軸とした他の領域などでも新しいコトを作っていけそうだなとイメージしています。現在は、「超聴診器」は病院で使われるものとして開発していますが、その後のステップも必ずあると思っているので、単なるハードウェアを売るだけではなく、課題解決を目指してハードと周辺領域もカバーしていくことで”モノとコト”を生み出していきたいです。

日本のモノづくりに興味を持ち始めたキッカケ

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-- 過去のことも少し深掘りさせてください。”ものづくり”に対してプロフェッショナルだというお話がありましたが、どのタイミングから生まれてきたものなのでしょうか。

軸ができてきたのは前職(製造業向けのコンサルティングファーム)の時ですね。前職は「日本のモノづくり」に対して、設計・企画からモノを作る現場、それを世の中に出していくサプライチェーンも含めて課題解決をよく考えている会社だったので、そこでの経験を通して、モノづくりの全体像の体系化をできると思いました。まだまだかもしれないですが、現在の自負には繋がっています。

-- 新卒ではメーカー、前職ではコンサルというキャリアを築かれてきていますが、キャリア選択の流れではどういった意思決定をされていたのでしょうか。

新卒で富士ゼロックスを選んだ理由は、居住地(東京)、福利厚生、平均年収など主に条件が良かったから(笑)。ただ、それだけではなく、ランク・ゼロックス(現:ゼロックス・リミテッド)と富士写真フイルム(現:富士フイルムホールディングス)の合弁会社だったので、外資が入ってる部分への魅力と元々メーカー自体にも興味があったことから、最終的に富士ゼロックスを選びました。

-- 待遇だけを考えるとどの部署でも良かった中で、最初は試作部を志望されていますね。

富士ゼロックスの中で配属先をどこにするか選ぶ際に、設計者として仕事をやってみたいという希望はありましたが、大学の研究テーマからするといきなり設計にいくのは難しく、それではどうすれば設計者のキャリアを歩めるか考えた結果、設計と生産の間にある”試作”という仕事にたどり着きました。

試作の仕事というのは、設計したものをちゃんと組み立て、評価を行い、工場で量産ラインにのっけていく仕事なので、設計と生産のことが理解できるのではないかと思いました。その上で、設計者というキャリアに進もうと、当時は考えていました。

振り返ると、自分でモノをカタチにしていくプロセスを経験できただけではなく、必ずどの開発機種も試作をしないといけないので、大小問わず様々な機種を見れますし、試作をやっていれば設計者、量産現場の方、生産技術の人とも話をする機会がある。設計にいくための手段として試作部を選びましたが、今考えるとすごくよかったと思います。

ビジネスを勉強し、修行するためにコンサルティングファームへ

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-- その後、メディオクリタス(製造業向けのコンサルティングファーム)へ転職されたキッカケは?

大きく2つの理由があります。初めに、会社・事業の将来性に関して、キャリアイメージが湧かなくなったこと。ペーパーレスで紙が無くなるかもしれない時代が近づき、将来を考える中で、コピー機やプリンターを作り続けていくことは、自分の価値を世の中に提供するという文脈で面白くなさそうだなという思いが強くなりました。

2つ目の理由としては、開発や設計に携わり”モノづくり”をしているなかで、ビジネスサイドへの興味も出てきたものの、富士ゼロックスにいる限り難しいと思ったので、新しいビジネスに携わるために転職を考えました。

-- ビジネスに携わるという観点だとメーカーの新規事業という選択肢もあったかと思いますが、なぜコンサルへ行かれたのでしょうか?

”モノづくり”に関わっていたものの、生産技術というバックグラウンドだったので、いきなり「新規事業やります!」と言ってもビジネスサイドのことはあまりわからない。だったらどうするかということを考えた時に、キャリアチェンジという視点でコンサルを挟もうと思いました。

転職した時点で、将来のキャリアについては決めていませんでしたが、「コンサルで頑張って成長する、やってみる」ということだけ考えていました。その上で、コンサル会社で経験を積みながら将来のことを考えた結果、やっぱり事業会社に戻ろうかなと決心したことが、AMIに入社するきっかけです。

コンサルからスタートアップへ繋がる経験とは

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-- コンサル出身の方には、自分では事業を作れないというわだかまりを感じていることが多い印象があります。

それはすごい感じます。アイデアを実行するのはクライアントなので、考えたことを自分では実行できないですし、クライアントがそもそも実行できないことを提案しても仕方ないという立場なのは辛い。本当はこの会社はこういうことができたらいいんだろうなと思っていても、会社の人は「それは違う」というようなギャップはあります。「できないこと、やりたくないこと」を提示するのはコンサルという立場上、私は意味のないことかもしれないと考えていましたし、本当にしたいことが自分では実行できない、でもそれでいいのだろうかという葛藤は抱えていました。

-- スタートアップに参画されたり、起業する人の中でコンサルを挟んで良かったという人もいれば、ダイレクトには繋がらないといった意見もありますが、神尾さんの場合はどうでしょう。

私としては、修行ができたいう意味でとてもよかったです。ビジネスに対する考え方や働き方、あとは本当に細かいところですけど資料の作り方、相手に何かを伝えるにはどうすればいいかといったスキル面ではかなり鍛えられたので。投資家に説明する際に資料作りが出来るか出来ないかというのも大きな差になりそうだなと思いつつも、資料を作ることが価値ではなくて、それを元に事業を進めていくことが重要なので、そういったスキルを身に着けるという点ではとてもいいところだと思います。

実際に設計プロセスの改善や生産現場のプロセス改革、原価の見直しに関するプロジェクトなど幅広く携わりながら、会社の中で新規事業を考えるところまで担当させてもらったことは現在にも活かせています。

キャリアにおける安定・給与は目的ではなく過程

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-- 現職(AMI)からは選考の際にどこを評価されたと感じていて、逆に神尾さんはどういった軸で企業を選定されたのでしょうか。

ベンチャーマインドが高そうだという点と、モノづくりのことを知っているという点が大きかったですね。1社目で試作に関わり、コンサルで培ったスキル面も評価してもらったのではないでしょうか。

転職時はスタートアップを中心にいくつか見ましたが、ミドルフェーズの企業だと組織もある程度しっかりしていて、自身の役割や事業展開などもはっきりとイメージができたので、そういった企業では即戦力として価値提供できそうだなと思いました。とはいえ、一方でそれだとあんまり変化がないなとも感じたんですよね。その点、現職(AMI株式会社)はよくわからないけど面白そうだなと(笑)。

-- キャリアの最初は安定や給与基準だったのが真逆になりましたね。どうしてそういった思考に変わってきたのでしょうか。

安定や給与はあるに越したことはないですが、それだけで仕事はしないと考えるようになりました。給与がたくさんもらえるからといって興味のないことをやるつもりはなく、自分のやりたいことをやった上で、安定や給与は後から付いてくる。会社が成長すれば給与も上がっていくだろうし、それを実行するためにミッションに向かって突き進む。”目的じゃなく過程”だと思うんですよね。転職における意思決定では条件のことを気にしないというのは最初から決めていたので、下がったとしても問題ではありませんでした。

-- スタートアップはいつから意識されてたんですか?

転職活動を開始してからですね。大手企業、コンサル会社、スタートアップ、一通り話を聞く中でやっぱりスタートアップが一番面白そうだなと思いました。for Startupsの馬場さんと五嶋さんからワクワクするようなスタートアップ企業をご紹介いただいて、まだまだ知らない会社がたくさんあるというのがわかりましたし、企業ごとにカラーがあって面白いなと。キャリアの最初は大手企業に就職し、次に小規模の企業を経験し、どちらも経験しているからこそ、また大手企業に戻るのは違うなと思いました。

なので、スタートアップを最初から意識していたというよりも、面白そうな方向に進んでいった結果、スタートアップ企業にたどり着いたというニュアンスです。ただ、転職するときには「経験できる幅の広さ」を重視していたので、そういった意味ではスタートアップ以外の選択肢は思い浮かびませんね。

鹿児島への移住を決め、いざスタートアップへ

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-- 面白いと感じるスタートアップがいくつかある中で、鹿児島への移住のハードルもあったかと思います。地方に行くという意思決定をされた決め手はなんでしょうか?

一番は、自分のできる”経験”ですかね。企業を見る中で出来そうな経験を比べてみて、AMIが一番面白そうだと考えました。その判断をする時に、どこに住むかという点は判断基準から全く省いていましたし、そこで判断しないことは最初から決めていました。なので、AMIにジョインすることは問題ないというロジックに自分の中では繋がっているのですが、普通だと居住地は大きな意思決定のポイントかなと思います(笑)。

-- 家族の反対はありましたか?

最初は反対していました。九州の会社に行くと言ったら、東京の他の会社で良いでしょ、というところからスタートして。でも、「将来”これから必要になる人材”ってこういう人たちだと思うんだ」と。「そういう人材になるために、今の年齢から逆算するとこういう経験が必要だからAMIに行くんだよ」という感じで説明して。スタートアップへの転職はこういうメリットがある、という将来的な可能性を提示して、それを実現するために自分を信じてくれ、と。途中まではロジックですが、最後は気合いでした(笑)。

これからの日本で必要になる人材とは

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-- 先ほどお話しされていた「これからの日本に必要な人材」について詳しく教えてください。

私がイメージしているのは、実行できる人だということです。考えてから実行できる人であれば一番いいんですけど、実行力が今後は大事になってくるのではないかと。前職(コンサル)での仕事でいうと、考えることがクライアントへの価値提供に繋がることは面白いですし、成長していくことはできましたが、将来的に、「そういう人に自分はなりたいのかな?」とふと思ってしまった。

もちろん、コンサルの中にはバリューのある方も多いと思いつつも、今後の日本においては実行できるほうが社会にとっては必要とされるのではないかと感じています。考えるだけで、手を動かさない人が必要とされるイメージが私はあまり沸きませんでした。「考えながら実行することができる人」の重要性は、私が、富士ゼロックスでひたすら実行をすることを経験し、コンサルで考えることを学んだからこそ、感じているところかもしれません。

ディープテック領域スタートアップ企業の未来

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-- SaaSやAI関連企業が注目をされている中で、AMIやいわゆるディープテック領域のスタートアップが今後注目されるにはどうすれば良いのか、AMIでご活躍されているからこそ感じられていることを教えてください。

潜っている時間が長い部分に対して、どうやって未来の価値を感じてもらうかということですよね。投資家目線でいくと儲かることは大事なのかなと思うので、投資が回収できるイメージを持ってもらうためにどうすべきかというのが、”モノづくりに関わり、ディープテック領域”で事業を行なっている中では特に丁寧に考える必要があると感じています。

また、お金だけではなく、この領域は人も集めにくいという課題もあります。どうしても、「ディープテックやモノづくり領域」での経験がないとチャレンジが難しいですし、IT系の企業と比べると泥臭いと感じる方もいると思います。ですが、モノづくりの大変で辛いことを乗り越えた先にあるビジョンを実現することには価値があるので、そういった魅力をもっと伝えて、良い方に参画してもらいたいなと思います。

貢献したいという気持ちとポジティブでいることの大切さ

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-- 今後の話になりますが、神尾さんが現在COOとCTOを兼任する立場として、これからどんな挑戦をされていきたいですか?

私が考える挑戦は、「超聴診器という医療機器を世の中に提供する」ということ。それをいかに丁寧に、あとはスピードを持ってやるかというところが次の大きな挑戦になっています。AI医療機器は世の中に出てきているものの、数はそこまで多くないですし、これを実現していくのはとても大きな挑戦です。また、AMIが実現したい先々の話としては、心臓だけではなく、肺や腸などの、音を出している身体のあらゆる部分を生体音という枠で捉えた事業展開を実現したいと思っています。

-- これまでキャリアについてお話を伺ってきましたが、神尾さんが意思決定される際に意識されていることはなんでしょうか。

「貢献したいという気持ち」と、「ポジティブシンキング」ですかね。世の中に価値を提供したいということは何故か漠然と思っていて、富士ゼロックスでは、開発設計をする際に、自分の仕事によってコストが下がる、工場の立ち上げがしやすくなる、などプロダクトに対する貢献がすごいありました。

コンサルでは、クライアントが成長していくためにどういうことができるのかという部分に対して、自分はどういう風に貢献できるのかと常々考えていましたし、大それたことではありますが、「日本のモノづくりのために」ということを意識していました。AMIでは、社会に対して医療機器を提供して病院で使ってもらうということをやっているので、患者さんが最終的にきっと利益が得られるようになればいいなと思っています。

-- 「貢献したい」という気持ちはどこから生まれたものなのでしょうか。

はっきりとしたきっかけがあったわけではありませんが、何か価値を提供することが私のやるべきことなのではないかと思っています。自分のアウトプットに対して、「ありがとう」と評価されることにたぶん向き合ってきたのかなと思いますね。もちろん出来た時と出来なかった時もありますが、それも含めて自分に対するフィードバックについて向き合ってこれたことが影響しているかもしれません。

できない理由よりもどうしたらできるのかを考える

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-- ポジティブシンキングにも繋がるところだと思いますが、神尾さんには変えられないことを素直に受け入れる強さがありますよね。

性格として楽天家というのもありますが、できない理由を探すよりもどうしたら出来るかを考えています。富士ゼロックスで試作をやっていた時に印象深かったのが、設計者の優秀な方が「問題はあるけれど、これからどうしたらいいものが出来るか考えていくべきだよね」ということを言ってくれて、本当にその通りだなと思ったんですよね。試作はどちらかというとトラブルを出すことが仕事ですが、トラブルをどのように改善していくのかを探すことが重要である、ということが経験を通じて身につきました。

自分は元々楽天家だから何とかなると思っているんですよ。「それをするためにどう考えるか、どう動くか」というところがすごく大事なのではないでしょうか。そういった意味では富士ゼロックスでの経験は大きかったですし、現在のプロダクトを改善するというところにも役立っています。

-- 最後の質問になりますが、神尾さんはどういった人と一緒に働きたいを思いますか?

これまでにない医療機器を世の中に提供していくというチャレンジに共感してくれて、かつ荒波に揉まれたい方が良いなと思います。AI医療機器は普通のモノづくりとは異なり、人に対して使うもの=命に関わることなので規制に対してクリアすることは簡単じゃないですし、一筋縄ではいかないので。

様々な障害が出てきてしまうので、それを受け止めて考えるマインドが必要。私たちに限らず、どこのスタートアップもそうですが、ハードウェア自体上手くいかないことはやはり多い。いきなりホームランは打てないので、地道な努力が苦にならないというのは非常に重要だと思います。

-- 転職をする際やキャリアを考えるときに日本ではまだまだスタートアップが選択肢に入っていない現状がありますよね。

確かにその通りかもしれないですね。ITの分野はもちろん重要だと思いますが、私はもっとディープテック領域の魅力を伝えていければと考えます。これからの時代、”顧客体験”という文脈で日本のディープテックに関わるスタートアップ、ベンチャー企業から世の中に新しい価値を提供出来るというイメージができれば、人は集められると思うんですけどね。

グローバルでもITのほうが(Google社やFacebook社など)価値が高いと、雲の上を見るような感覚で捉えてしまう方もいると思いますが、実際それだけがビジネスじゃない。モノづくりやディープテックに理解と興味があり、ストーリーを描き事業をまわしていける人たちにもっとアピールできたらいいですよね。

「私、何をすればいいですか」という人ではなく、主体性を持って自分で仕事を作っていくことができる、そしてディープテックに繋がるようなバックグラウンド持っている人が興味を持ってくれれば良いですね。大企業の製造業にいる方の中にはそういう目線を持っている方もいると思います。新しい市場を作っていく分、確約された未来はありませんが、不透明な部分にワクワクする気持ちを持ってチャレンジしてもらえたら嬉しいです。

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EVANGE - Director : Kanta Hironaka / Creative Director : Munechika Ishibashi / Assistant Director : Yoshiki Baba / Assistant Writer : Ryohei Watanabe, Yuto Okiyama / PR : Hitomi Tomoyuki / Photographer : Jin Hayato

Produced by for Startups, Inc.

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