「CFOは誰にでもできる仕事」Chatwork井上直樹CFOが説く、自分で決めるキャリア戦略

2019-12-25

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    井上 直樹(Naoki Inoue)
    早稲田大学を卒業後、アサツーディ・ケイ(以下、ADK)へ入社。総合広告代理店という立場から企業のマーケティング支援に従事した後、戦略系コンサルティングファームのローランドベルガーへ。経営戦略を描く中で実業へ携わりたいと強く感じて、DELL、Lenovoを渡り歩き、それぞれ事業成長を牽引。その後、より経営に近く権限ある環境を求めて上場前のリクルートへ入社。新規事業開発室を経て、希望してM&A部門へ。Indeedの買収など、海外案件のPMIに携わる中で、スタートアップへの魅力を感じ帰国後にChatworkへCFOとして入社。

    外資系と日系大手企業を経てなぜChatworkへ行ったのか

    早速ですが、現在の事業内容と、井上さんの役割についてお聞かせいただけますか。

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    Chatwork株式会社は、Chatworkというビジネスチャットの運営とセキュリティソフトの代理販売をしている会社です。私達は『働くをもっと楽しく、創造的に』というミッションを掲げております。Chatworkを使うことによっていろんな働き方が可能になります。会社のオフィスでの勤務はもちろん。加えて、在宅勤務や海外で働く事もできます。いろんな働き方ができるという事を支援しているような会社です。
    私は、2017年の11月に入社して、CFOとしてIPOのプロジェクトやそれに伴う事業計画の策定をし、2019年9月に上場させていただきました。

    今までのキャリアでいうと、DELLもLenovoもリクルートも大きな会社ですが、その後のキャリアとして当時100人程度だったChatworkのどういった点に惹かれたのでしょうか?

    時々びっくりされて聞かれるのですが、自分の中では自然な流れでした。前職は10年ほどリクルートにいて後半の6年は海外にいました。入社時は事業開発室にいて、新規事業のモニタリングをしておりました。当時リクルートは自前で新規事業を立ち上げることに苦戦していました。

    具体的には、今までのリクルートって新規事業立ち上げてきた事業しかないんですが、近年は売上が100億になるような大きな事業を立ち上げられていなかったんです。これはリクルートが悪いんじゃなくて、世界的に見ても、例えばGoogleだって成功している新規事業はなくてほぼ買収じゃないですか。

    だとすると、買収によって新規事業を成り立たせるスキームが絶対に必要だと思い、内部でM&Aの部署に異動させていただきました。そこでメディアファクトリーという会社をKADOKAWAさんに売却するプロジェクトを担当したり、いくつか国内のM&Aを担当し、その後、6年前にリクルートがIndeedを買収した時の、買収担当者になりました。

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    当時500人規模だったIndeedのクリスマスパーティー
    スタートアップらしい取り組み

    Indeedを担当して、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーションの略)でNYにいきました。それこそ今となっては約7,000人を抱える「リクルートの時価総額の半分くらいがIndeedなんじゃないか」と言われる企業に成長しましたが、当時は500人くらいの小さな会社で、買収額も日本円でいうと1,000億強くらいの買収でした。そういう成長のステージを経験しました。

    その後、Wahanda(現Treatwell)というロンドンにあるホットペッパービューティーのような会社を、リクルートが買収したんです。全グループ従業員で約400人規模の会社でして、買収後に、NYからロンドンへ移動して、3年くらいPMIを担当してそこから帰国しました。

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    PMIを担当したTreatwellの幹部陣と
    急成長するスタートアップとの仕事はエキサイティングだった

    振り返ってみると、リクルートには在籍していましたが、6年間スタートアップにいたようなイメージなんです。Indeedも当時まだスタートアップでしたし、その後、Treatwellもスタートアップでした。ただ、6年間やってきて思ったのは、リクルートから行くと「株主から来た外の人」と見られる部分もあるんです。

    もちろんPMIなので株主としての顔も見せながら経営統合はやっていかなければならないのですが、むしろどっぷり「中に入ってスタートアップを大きくしたい」という願望がその当時から芽生えて、日本に戻ったらスタートアップのCFOなどの経営レイヤーのポジションでビジネスをドライブしていきたいと思い、志水さんにご支援いただきました。

    Indeed買収の裏側にせまる

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    ご経歴見ていて「あのIndeedの買収を!」とびっくりしました。もう少し詳しく教えていただけますか?

    実は最初は、「なんでこんな会社に1000億使うの?」って感じで社内からも評価はされてなかったと思います。

    買収の責任者は現リクルートの役員がされていて、M&Aの部署にいた私は主にディールの実務を進めていました。Indeedを見つけてきたのはその責任者の役員。アメリカで、創業者にお会いし、意気投合した感じでした。

    当時はIndeedではない他の会社を買収しようとしていたのですが、責任者であった役員が「この会社を買収したい!」と言い始めたところから議論が始まり、その後一回交渉もブレイクしたりとか色々な事もありました。

    そこから1年くらい交渉していて、ギリシャ危機が当時あって、マーケット環境がよく無かったので、向こう側が買収金額を寄せてきてくれて、最後締結となりました。責任者であった役員の類稀なる選球眼があり検討が始まり、買収チームで議論したという流れです。

    ビジネスモデル的に優れてはいるので当然伸びるだろうなとは思っていましたけど、伸び方はどこまでいくかわからないという不安はありました。当時リクルートでよく話していたのは、「Googleが同じことやってきたらどうするのか」という事。

    それって答えのない問いなんです。例えば「5年先行しているアルゴリズムの優位性がある」とか、それくらいの事しか言えなくて。そこはリクルートCEOが、責任者の役員の事を信じて託して進めていました。

    映画オタクだった井上氏がCFOになるまで

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    なかなか聞けないお話ありがとうございます...!ところで、日本を代表するような買収を仕掛けられる実力を付けられるまで、どのような経験を積んで来られたのか、何を考えてキャリアを変えて来られたのか、教えていただけますか?

    もともとは文学部出身の映画オタクだったんです(笑)。当時はアカデミックな方がカッコいいという雰囲気があり、実学に行くよりアカデミックが面白そうと思い文学部行って、なんとなくマーケティングをやりたいなと思って広告代理店のADKに入ったんです。

    そして、働いているうちに、もう少し上流のマーケティングをやりたくなり、ローランドベルガーという戦略系のコンサルに行きました。そこで、マーケティングの上流という位置付けで経営戦略に触れました。そして次は実業をやってみたいという事で、当時急成長しているDELLへ転職しました。

    そこでその後Lenovo Japanの社長になる方に面接をしていただき、弘中さんのお父さんとも出会いました。DELLは当時破竹の勢いで成長をしているスピーディーな会社だったので、そこで学ばせていただいて、上司だった方がLenovoの社長になったので、可能性を感じて私も移りました。多くの魅力的な先輩方が同じようなタイミングでLenovoに一緒に移りましたね。なので、私の中ではDELLとLenovoはメンバーも一緒だしやっていることもパソコンの販売で同じような感覚でした。

    外資系の会社で働いて感じていたのは、根本部分の経営戦略は本社で考えられていると言う事でした。なので日本に本社も戦略もある会社で働きたいと考えるようになりました。DELLとLenovoは、若手にかなり権限委譲されていたので、日本に本社があって、同じように若手に権限がある会社へ行きたいと思って出会ったのがリクルートでした。リクルートでの話は先ほどお話しした通りです。

    今のキャリアにつながっているのは、買収そのものというより、PMIで向こうの経営陣と一緒にやってきた経験が大きいかなと思っています。

    なので、繋がることは繋がりますが、キャリアの初めと現在だけを比べて見ると、文学部の映画オタクからCFOって遠いなって思いますね(笑)。

    CFOは誰にでもできる仕事

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    その場にいる環境で取り組んできたからこそ見えてくる課題に対し、常にチャレンジしてきたのですね。ただ、CFOのキャリアとしては投資銀行や監査法人を挟んでいない井上さんのような方ってあまりいませんよね。

    誤解を恐れずに言わせていただくと、私は、CFOなんて誰にでもできると思っています。

    私は初めからCFOを目指していた訳ではなく、常にその時その時で身近なところから「何がしたいか」を考えてきました。「違うことを経験した先にまた違う道があった」を繰り返してきた感じですね。

    そうやって色々な職種を見てきて、結局CFOの役割って最終的には会社の事業計画を作ることに収斂されると思うんです。もちろんIR活動で投資家に対しアピールするとか、バリエーションを証券会社と交渉するとか、テクニカルなことも色々とあるんですけど、要は、会社を成長させる、その事業計画を作り込むというのがCFOのメインの仕事だと思っています。

    CFOって仰る通り監査法人とか投資銀行出身の方が多いじゃないですか。でも、結局CFOの役割って、割とロジカルであれば誰にでもできることだと思っています。数字って誰でもわかりますし。売上でトップラインを上げ、利益を上げてっていういわゆる数字だけの事業計画なら誰でも作れる。ただ事業に寄り添った、血の通った事業計画が必要で、そこは難しいと思います。

    だから、私みたいにファイナンスバックグラウンドがなくても、課題に対して戦略が練れるとか、成長戦略に対して事業に寄り添って戦略が作れるとか、経営視点で考えられる頭のある人なら別にCFOなんて誰にでもできると思います。勿論最低限のファイナンス知識やバックグランドは必要ですよ。この辺りは私は事業会社でのM&Aを経験して身につけけられたと思っています。

    王道から外れる事を恐れない、井上CFOの判断軸とは

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    CFOまでの間様々な経験をされていますが、そんな中でも持っていた判断軸は何かありましたか?

    本質的には、「成長」と「楽しい」を両方とれる場所で働く事が良いと思っています。私の感覚では成長している会社にいると楽しいと感じてる事が多いんです。成長している会社って、お金も入ってくるし、人もどんどん入ってくるし、新しいこともどんどんできる。成長と楽しいことって同時にある。今までのキャリアは全て成長している会社だったのが結構大きいですね。

    成長している会社って、魅力的な人材が集まってくると思います。リクルートでの上司は、尊敬できる人でしたし、DELL時代の先輩も、人間的に尊敬している。今の日本で言うとスタートアップがそんな環境だと感じます。

    また、自分の意思で決めると言うのも軸として持っています。自分で決めたことって、やって後悔したことないんですよ。たとえ回り道であっても、全部自分の選択でやってきていて、例えばリクルートでもM&Aをやろうとか、自分で感じていることをやっているので、仮に間違ったとしても納得感がある。もし、Indeedみたいなホームランが無かったとしても、自分が選択したことは間違いないと思っていると思います。

    周りの意見は取り入れつつ、最後は自分の意思で決めてきた。なので人と違ったキャリアで、あんまり王道いってない。でも、楽しく働いて来れました。

    井上CFOがChatworkに惹かれたワケ

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    Indeedの買収という稀有なご経歴をお持ちなので、引く手数多だったと思うのですが、いくつか選択肢あった中、なぜChatworkを選択されたのでしょうか?

    いくつか理由があるのですが、1つ目の理由は、NYとロンドンにいて、ビジネスチャットで働く世界観を体験していたのが大きかったと思います。特にアメリカは土地が広い。ビデオ会議を自然にやりますし、メールではなくチャットでやり取りする。そういう文化が日本よりもうちょっと先にいっていたんですよね。次に行ったロンドンでも、ヨーロッパが一つの国という感じで働くので、アムステルダムやバルセロナ間で仕事するときに、ビデオ会議やチャットで働く文化がかなり浸透しているなと感じました。

    私、田舎が静岡なんですけど、アメリカで言ったら静岡から東京なんて通勤距離なんです。でも日本だと、東京の中でも職場の近くに住んでないと働くのが大変ってなるじゃないですか。アメリカから見ると働き方が画一的に見えるんですよね。

    対して、アメリカって個人の思考で家族を大切にしたい人は家族を大切にするし、田舎にいたい人は田舎にいる。働き方が多様化している世界ってなんかいいなあと思ったんです。そういう多様な働き方を醸成しているのが、Chatworkのようなツールだろうなと思った。だからその世界観を広げられるんじゃないか、という事がまず思った事でした。

    2つ目の理由は、Chatworkは海外にも広げられる素地があると思ったからです。例えば会計ソフトだと、国ごとに会計基準が違うので海外にオーガニックででるのは難しいのですが、チャットツールだと、海外でもその素地があるので通用するのではないかという、その2点が面白そうだなと思って入りました。

    Chatworkが実践する、一人一人にあった自由な働き方とは

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    Chatworkを選んだ1つ目の理由について、実際にChatwork社内では、そういった自由な働き方って推奨されているのですか?

    基本的には、オフィス出社を推奨している会社ではありますが、状況に応じて柔軟な働き方ができるようにしてます。例えば、前のコーポレート本部長の場合、お母さんが徳之島にいらっしゃるんですけど、「行ってくるわ」といってリモートワークしてたり。10連休を年に2~3回とれるように推奨したりしています。そういう時にリモートで緊急の仕事には対応いただいたりとか。

    普段も状況に応じてリモート全然OKです。フルでリモートワークされている社員もいます。鹿児島県に1人エンジニアがいて、山口県にも1人エンジニアがいます。年に2回は全体合宿でくるんですけど、支社とかじゃなくてフルリモートです。

    群雄割拠のチャットアプリ業界におけるChatworkの勝算

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    Chatworkを選んだ2つ目について、ビジネスとして、競合のSlack等がある中で、どの海外を狙って行っているのでしょうか?

    確かに、スタートアップの界隈だとSlack使うところ多いですよね。エンジニアとか新しいもの好きな人は使う。ただ、けっこうターゲット層が我々とは違っていて、Slackはスタートアップ以外はエンタープライズを狙っているんですよ。

    Chatworkは、300名以下の企業がターゲットで、あとはフリーランサーの方々に使っていただいていて、実はビジネスの現場でそこまで競合することが無いんです。スタートアップの世界に身を置くとわからなくなりがちですが、実は世の中の会社って9割型ビジネスチャットが入ってないんです。

    地方の300名以下の会社ではSlackを使いこなすのが難しいんですよ。ITリテラシーもそこまで高く無い。だから、日本全体のマーケットで、300名以下でITリテラシーがそんな高くない非ITな中小企業に対してきっちりChatworkを導入していく。すると、Slackと比較するとまず対象としているマーケットが違う。

    Slackはアメリカが主要マーケットで2番がたしか日本。ヨーロッパはある程度入っているところもあるが、アジアはまだビジネスチャットってそんなに入ってないんです。今弊社がアジアでテストマーケしてある程度ニーズがある事がわかり、日本と同じようなニーズで広げられるところまではきたので、そこを皮切りに入れていこうと考えています。

    また、アメリカも同じような構図はあるかなと思っています。アメリカの中小企業の全地域に本当にSlackは導入されているのか…。アメリカの西海岸地域とかは導入されていると思いますが、それ以外には多分そこまで導入されていないと思います。Slackも多分そこの壁は感じているだろうなと思っていて。ヨーロッパも一定そういったマーケットはあるだろうと思います。

    To Cサービスみたいに1社1強というわけではなく、To Bの世界ではだいたい3~4社は残るので、To Bの領域ではどこのマーケットを取りに行くかという話ですね。

    大手を渡り歩いてきた井上CFOが、スタートアップで働いて感じたこと

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    最近のトレンドとして、大きめの会社で経験を積まれた大人がスタートアップに入って事業を成長させるケースをよく見ます。大人の井上さんが実際に働かれてみてスタートアップで働くことってどう思われましたか?

    日本のスタートアップマーケットって、正直リスクは少ないと思っているんですよ。マザーズって赤字でも上場できますし。

    日本では100数社が年間で上場していますが、そのうちアメリカで上場できる規模になっている会社なんてあまりないんですよ。極端なことを言えば、アメリカだったらM&Aされる規模でも日本だとそのまま上場できます。

    比較的容易にパブリックカンパニーになれるというのと、投資に回すお金がかなり余っているので資金調達もしやすい。今だと上場してないのに100億調達とかもあたり前じゃないですか。提案スキル上がっているというのもあると思いますが、環境としてお金が集まってきている状態です。

    逆に、大手企業のその会社、もうだいぶ斜陽になってるけど、あなたのそのポジション大丈夫ですか?というケースの方が多いのではないかと思います。相対的に大手とスタートアップ、そんな差がないんじゃないかなと。相対的に見てバーは低くなっているなという環境になって来ている印象です。

    今までの働き方と、Chatwork CFOとしての働き方はかなり違いましたか?

    若干の差はありました。スタートアップって言っても私がPMIで入っていた会社は500人くらいの会社で、Chatworkは私が入った時には100名以下くらいでした。もちろん人材も違いますし、やらなきゃいけない事の幅も違いますし。そのあたりは初め、チューニングしていく必要はありました。

    例えば私がここに来たのって、上場を主導すると言うミッションと共に、将来的に国内外のM&A含めてやってほしいという意図など色々とあると思います。もしかしたら自分の得意な分野が活かせるのはもう少し先かもしれない。

    なので、「今のフェーズできっちりバリューを出すにはどうするのか」、は自分なりに考えていますね。ただ、考えてやれる範囲だと思います。

    経験積んだ大人も、どんどんスタートアップにチャレンジすべき

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    ありがとうございます。今のお話を受けてスタートアップの世界に興味を持ってくれた方もいると思うのですが、スタートアップへ来て欲しいと思う人のスキルやマインドセットがあったら教えてください。

    1つは、経験や知識はある人がいいのはもちろん、やっぱりカルチャーフィットする人ですね。若い会社に来るので、カルチャーフィットがないと、10の能力持ってても、そこが壁になって、3しか能力出せないとかそういう人も結構多いんじゃないかと思う。5しかもってなくてもフィットがあれば5は出せる。実際にベンチャーの方と話をしてみて、コミュニケーションが取りやすいなと感じた人は、すごくおすすめですよ。

    2つ目に、強いこだわりのある人が重要だと思います。
    自分がどういうバリューが出せるのか、どういうことがしたいのかという事を明確に持っていることです。逆に言うと、明確な意思がなく何もしないと、何のバリューも出せずに終わってしまうので。経験だけじゃなく、こだわりとか自分のやりたいことを強く持っている人はオススメですね。

    最後に大事なのは、経験を常にいろんな事に昇華する思考かなと。一見、M&AとIPOは全然違うじゃないですか。会社上場させるのと買収するのって全然違うんですけど、私にとってはとても似ているように見えます。M&Aって、買う側と買われる側とその株主がいるじゃないですか。IPOも、株主がいて、創業者がいて、ユーザーがいて。どちらも常にステークホルダーがいるんですよね。常にWin WinにしないとIPOも成功しないしM&Aも成功しない。そう考えると、M&AとIPOってすごく似ているんです。

    別に営業だって同じだと思います。スタートアップは新しいこと、初めてやることが多いので、目の前にある事象を昇華して同一なものだと思考できるか、ということが重要です。ビジネスはそういう事ができれば異業種にも過去の経験を持って来れると思います。

    井上CFOにとって、ヒューマンキャピタリスト志水雄一郎とは

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    最後になりますが、Chatworkへの転職の際、他のエージェントは使われていましたか? 弊社のヒューマンキャピタリストとの違いがあったら教えてください!

    他のエージェントも連絡は取っていましたが、私はヒューマンキャピタリストの志水さんに支援して貰おうと思いました。理由はシンプルで、提示してくれたリストが一番多くて、何より話が早かったからです。

    他のエージェントさんは皆さん1〜2個ずつしか出さないのに志水さんは志向性に合う企業を10社くらい投げてくれたので、志水さんにお願いするのが早いなって感じました。私からは応募する優先順位をお願いしましたね。その当時Chatworkが優先順位一位でした。

    案件の量が多かったのは当時からスタートアップとの関係値を作っていたからこそだと思います。志水さんは、非常にクレバーで相手のニーズを感じとるスキルや、そのニーズに対してそのものズバリを返してくれるという、その辺りの能力がとても高い方という印象です。ですのでヒューマンキャピタリストとしてもそうですが、ビジネスマン、さらには会社の経営者としての能力も高い方なんだと思います。

    EVANGE - Director : Kanta Hironaka / Creative Director : Munechika Ishibashi / Assistant Director : Yoshiki Baba / Assistant Writer : Ryosuke Ono, Ryohei Watanabe / PR : Hitomi Tomoyuki / Photographer : Jin Hayato
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