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吉田 晋(Susumu Yoshida)
LegalOn Technologies 執行役員・Head of Lead & SDR
明治学院大学経済学部卒。パーソルグループ、ラクス等にてインサイドセールス・マーケティングのマネジメント業務を経て、2022年11月入社。2024年4月より現職。
LegalOn Technologiesは 「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」というパーパスを掲げて活動するリーガルテック企業です。これまで、「LegalForce」や「LegalForceキャビネ」など契約業務にまつわるサービスを提供してきましたが、2024年4月にAI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」をローンチし、現在では法務全体の業務をAIで支援するサービスを展開しております。
私の役割は大きく分けて3つありまして、1つ目は中堅中小規模のお客様を対象とするセグメントの営業統括責任者、2つ目は全社のインサイドセールスの統括責任者、3つ目はパートナーセールスの統括責任者です。
2,3年周期でずっと何かしらの転換点がありますが、一番最初の大きな転換点は、オーダースーツショップの採寸者からインサイドセールスにキャリアチェンジをしたことです。
当時、プライベートの転換期でもあり、アパレル業界からのキャリアチェンジを考えていましたが、未経験の私はなかなかうまく進まず、なんとか転職出来たのがパーソルグループのBPO企業のインサイドセールス職でした。契約社員採用という点もあり、率直に望み通りの転職ではありませんでしたが、今思えばここが運命の転職だったと思っています。
そうですね。最初の3年くらいはうまく行かず、キャリアは完全に停滞してしまっていました。ただ、再度プライベートの転換期に直面し、なぜキャリアが停滞してしまっているのかを考え直す機会があり、シンプルに自分が真剣に仕事に向き合っていないだけで、うまく行かなかった責任は全て自分にあることを痛感しました。
ここからが第二の転換期ですね。自分で自分を許せるようになるまでやり切る。そのために365日仕事のことを最優先にしました。それはそれで大変でしたが、細かいことは思い出せないくらい必死でしたね。
両方あると思いますがどちらかと言えば後者かもしれません。どこまで進めば納得出来る自分になれるのかわからなかったので、まずは目の前のことを全力でやり続け、積み重ねることしか思いつかず、それをやり続ける覚悟が決まったというのが一番の要因ですね。
35歳の時に初めて「リーダー」という肩書きがついたタイミングですね。当時の上長から30名のインサイドセールスのBPOプロジェクトを引き継ぎました。初めてのリーダーで、それなりに大規模で、私にとっては大きなチャレンジでした。恥ずかしながら私がやることに反対する部下も複数いて、その中で前任者よりも高い成果を出し、結果として組織のコンディションも安定させることが出来ました。
仕事第一の人生に転換してから初めて「自分はやれるんだ」と実感できた経験です。ここまでの努力の集大成であり、今の自分の土台になる成功体験だったと思います。
基本、仕事は好きでやっていて、一番の趣味になっています。やりこんで成功したら癖になり、やらないことの方が落ち着かなくなってしまいました。それが自分へのプレッシャーになり続けているのですが、乗り越えて成功したと思える瞬間をまた手にしたいと思って続けています。
毎日何かの学びの連続で、必ず昨日の自分よりも今日の自分の方が成長して素晴らしいと言える自分でありたいと思っています。だからこそ、徹底して「出来ない理由よりやれるやり方」を考えるマインドセットを自分自身にしていて、どうやったら目的に到達出来るのかを論点に考えます。
きっかけは「最初に長くやってしまっただけ」なのですが、結果的に自分にマッチしていました。インサイドセールスは自組織に加え、前工程・後工程に挟まれ、変数が最も多く存在する組織だと思っています。
私は、データ・数値から状況を把握するアプローチが得意なタイプのため、デジタルに数値で結果がわかりやすく、かつ複雑な係数コントロールを要求されればされるほど、自分にしか出せないバリューが発揮しやすくなります。その点からもインサイドセールスは自分にマッチしていて面白さがありますね。変数が大きくなればなるほど、自組織が間接的ながらもMRRの達成をコントロール出来る要素が広くなると思いますし、それが魅力だと思いますね。
30代後半に差し掛かってからは、パーソルグループ内で営業コンサルティングのビジネス立ち上げ、デジタルマーケティングとインサイドセールスを組み合わせた仕組みの立ち上げを経て、38歳の時に株式会社ラクスに入社しました。これまで築き上げてきた経験をもとにSaaS企業への初挑戦ですね。ここが第三の転換期かもしれません。
ラクスは本当に良い会社で、退職して改めて外の会社に出てみると、ビジネスモデルや管理密度、仕組みの一つ一つのレベルの高さがSaaS企業では群を抜いているなと感じていて、そのノウハウを自分の中に取り込めたことは本当に大きな経験になりました。本当に入社して良かったと思っています。
ただ、ラクスくらいのビジネスフェーズになり、かつ明確なルールやカルチャーが強く形成されている企業になると、私がいなくても組織は回りますし、私が介在することでビジネス・会社に与えられる影響は小さいのではないかと感じました。真剣にビジネスに向き合うからには「自分がいて何かが変わった」と言われる存在でありたいと思ったんです。
それをきっかけに改めて、自分はどんな仕事がやりたいのか、仕事を通じて何を得たいのかを考え、新たな挑戦をした方が良いのではないかと思うようになりました。
はい。改めて、私は前例に捉われず、裁量をもって、リスクを背負ってでも自ら方針を決め、意思決定をすることに心が踊るタイプだと気づきました。また、大きな組織体の中でルールや仕組みが発達しすぎると、無意識に縦割りの個別最適性が強くなってしまうものだと思います。そう気づいた時に、今のままで良いのだろうかと感じ始め、転職の情報収集を始めようと思い、フォースタートアップスさんに相談することにしました。
実は、この時にはまだスタートアップで働くことは全く決めていなかったのですが、フォースタートアップスさんからスタートアップで働くことのメリットや、私にマッチすることをもの凄い熱量で説明された気がします。私をスタートアップに何としてでも引き込んでやろうというパワーを感じ、気づいたらスタートアップに行く気持ちになっていたのだと思います。
前提、私はSaaSが好きで可能性があると思っています。また、BtoBのSaaSがもっと当たり前の世の中になれば日本の社会はもっと良くなると感じており、この先も携わり続けることは私の中で決めていました。ただ、気づいたら自分もそれなりのハイレイヤーとして扱われる立場になっていたので、自分が発揮できるバリューと、組織が求めるものと、自分が求めたいもの、これらのバランス取りが思ったより難しいなと感じたこともあり、フォースタートアップスの小林さんと仁木さんに棚卸しを手伝って頂きました。
その中で、一番私と企業間のマッチングがあるととても強く勧められたLegalOn Technologiesの選考を受けることを決めたのですが、スタートアップと言うにはサイズが少し大きいかなと最初は感じていました。新たな挑戦になるのだろうかという懸念ですね。ただその懸念は、面接の中ですぐになくなりましたね。
組織が大きくなってもベンチャーマインドは失われていない企業だなとはすぐに分かりましたし、こんな急速な事業拡大と組織の成長痛と向き合う挑戦はLegalOn Technologiesでしか出来ないことだと直感的に感じました。そう理解した時に思ったのは、「私が働くのはここだ」と「ここに必要なのは私だ」。シンプルにそれですね。
面接の時に包み隠さずに状況を説明してくれていたので、入社前・入社後のギャップは全くなかったですね。伸びている会社としての良さ、急に伸びすぎてしまった会社の歪みも本当に聞いていた通りでした。これまでとは違うポジティブなギャップとして強いてあげれば、思っていたより法務領域のSaaSマーケットはまだ未成熟で伸びしろがあるなと感じたことと、大型の資金調達のプレッシャーはありましたね。
一つ目は当社に限らずスタートアップ全般の話になりますが、スピード感と権限と裁量のバランスは間違いなくスタートアップの醍醐味だと思っています。ありがたいことにこれだけの速さで成長が出来ている点からも、当社は特にそうなんだろうと思います。任されて、やれることを証明出来れば役割はどんどん与えられます。私自身、インサイドセールス部長代理、インサイドセールス部長、インサイドセールス/リード獲得マーケティングの統括責任者、執行役員と半年から1年のサイクルで次のステップに進んでいます。
もう一つは間違いなくプロダクトの成長性と将来性ですね。私自身、人事→経理→法務・総務とバックオフィスのご支援をする営業をここ数年は渡り歩いていますが、最も市場が未成熟で、まだまだ市場に新しいものを生み出して、トップを取る挑戦が出来るビジネスだと思います。今のフェーズからでもそこに挑戦が出来るということは楽しいですし、それを信じられるプロダクトが存在するということは楽しさでしかないですよね。
正直、私個人としては具体的にはないんですよね。私がやりたいことは、事業を成功させること。それだけなんです。
これだけ大きな可能性と野望があるビジネスだと、自分がやりたいと思うことに固執しすぎてしまうより、ビジネスを成功させることを目的に意識を振り向けた方が、わくわくする大きな挑戦が出来ると感じます。その中で必要に応じて、受け持つ領域を横に広げるのか、より縦に深く極めるのかを決めて行けばいいと思います。その上で、自分が事業の成功に最も大きな変数を背負える一人に成長できていれば良いと思います。
まず、思い返すとこれは生まれ持った性格なのだと思います。昔からもう一人の自分が客観的に自分を見ている感覚があったり、良くも悪くも人に批判されない・失敗しないことをやろうとする癖があったんです。
仕事がうまくいかなかった時はこの癖が邪魔をして主体性を持てず、仕事に本気になってからこの癖と共存して勝負が出来るようになった感覚ですね。そして、インサイドセールスの職責がセールスマーケの全体視点に近いため、より自然にその視点が鍛えられたのだと思います。また経営者になってより強くなったかもしれません。
ダイレクトにビジネスの成功を求められるため、自分の信念は大事にしますが、成功に繋がらない拘りはバッサリと捨てることにしました。だからこそ、自然と今は「自分のやりたいこと=携わるビジネスの成功」と迷いなく思うのかもしれません。
働くことでも、人生を生きることでも、まずは何でも良いので明確な意思を持っている人だと嬉しいですね。働くことに対する意思はそれぞれ自由ですし、何を思って働いていてもいいと思いますが、「何を得たいか・何の目的でやっているか」がとても重要だと思います。
結局、自分自身が成長するアクセルを踏めたタイミングは、「目的が明確になり覚悟が決まったこと」だったので、仕事や生きることに何らかの目的を持っていて欲しいと思います。
スタートアップは、それなりに過酷な環境でもあると思いますので、こういった意思や目的があると、より成長機会として実りが大きくなるのではないでしょうか。そういった人が増えてきたら嬉しいと思いますし、そういう人をスタートアップに増やしていくことも私がなすべきことなのだろうなと思います。
スタートアップは環境変化がつきものになります。その中で、先読みして、計画を立てて、機動的に状況判断をして、でも果たすべき目的だけはブラさずに意識し続けることが必要だと思います。そして、やはりスピードや機動力で勝てない限りは、先駆者を追い抜くことも出来ません。
だからこそ、ここでしか出来ない意思決定や裁量、挑戦の醍醐味も味わえます。何を成し遂げたいかの意思と覚悟が強ければ強いほど、掛け算で大きな成長と経験を積み上げることが出来ると私は感じています。
たとえ失敗しても人生のやり直しはいくらでも出来ますし、真剣に努力して積み上げて来たものがあればあるほど、そうだと思います。ですので、スタートアップに興味があるけど、怖いなと思う方も、思ったよりも安心してトライ出来る世界なのだと思ってもらえると嬉しく思います。
吉田さんとは2022年5月に初めてお会いさせていただきました。
当時、株式会社Legalforce(現:株式会社 LegalOn Technologies)からご相談いただいていたこととしては、「事業拡大に伴いインサイドセールス組織の拡大は必要不可欠で、組織を拡大させたものの仕組み作りがなされていない。ここの課題解決がLegalforceの成長において重要である」といった内容でした。
その課題を踏まえお声掛けさせていただいた方が、吉田さんでした。
私としては、この方であれば今のLegalforceが抱える課題を解決できるのではないかと思い、お声掛けさせていただいたことが始まりでした。
当時転職温度感はそこまで高い状況ではなかったものの、「ネクストユニコーン企業を一緒に作るという価値観はとても興味がある」「仕事への熱を再加熱させたい」といった内容を添えてご返事をいただいたため、きっとLegalforceであれば実現できるような気がしていました。
実際にご入社されてからは、インサイドセールス責任者として組織の立て直しや営業方法の見直しを行われ、現在はSMB領域のマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、パートナーセールス組織と複数部署を管掌しながら企業の成長を牽引されております。今回インタビューでお話をお伺いし、新しい挑戦をし続けることに楽しみを見出されている吉田さんであれば、ここから先のLegalOn Technologiesの更なる成長を牽引してくださる方だろうと確信することができました。
小林 由依(フォースタートアップス株式会社 ヒューマンキャピタリスト)
仁木 紫援(フォースタートアップス株式会社 プリンシパルヒューマンキャピタリスト)
EVANGE - Director : Kana Hayashi / Creative Director : Munechika Ishibashi / Interviewer : Daisuke Ito / Writer : Kozue Nakamura / Editor:Daisuke Ito / Assistant Director : Makiha Orii / Photographer : Hideaki Ichikawa