「プロダクトと一緒に働く人にワクワクするからこそやり続けられる」ヤプリ 執行役員カスタマーサクセス本部長 市川 昌志 氏を支える土台

2023-10-18

「デジタルを簡単に、社会を便利に」をミッションに掲げ、アプリのプラットフォームを提供する株式会社ヤプリ(以下、ヤプリ)。同社の執行役員カスタマーサクセス本部長として活躍する市川 昌志 (Masashi Ichikawa)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc. の橘と申します。私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計650名以上のCXO・経営幹部層のご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

目次

  1. ヤプリの描くビジョンと市川さんの役割
  2. キャリアの転換点 ー市川さんを支えになっているものー
  3. スタートアップと外資系大手企業の違い ー仕組みをつくっていく面白さー
  4. ヤプリを選んだ理由 ーそのプロダクトと一緒に働く人にワクワクできるかー
  5. 理想の組織とは ーそのときの最適へ変化させていくー
  6. 市川さんの活躍の背景 ー他の人よりも我慢できることが武器ー
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市川 昌志 (Masashi Ichikawa)
アップルジャパン株式会社、株式会社ブレインパッド、日本オラクル株式会社で営業・カスタマーサクセスに従事。2018年、CS組織の立ち上げを目的に株式会社ヤプリへ入社、最重要KPIである解約率1.0%以下を維持し続けている。2020年同社カスタマーサクセス本部本部長就任。2023年より同社執行役員。

ヤプリの描くビジョンと市川さんの役割

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-- まずは、ヤプリの事業内容について教えてください。

ヤプリは「デジタルを簡単に、社会を便利に」をミッションに掲げ、ノーコードで誰もが手軽にデジタル技術を扱え、生活が豊かになる社会を実現することを目指しています。

プログラミング不要でアプリ開発ができる「Yappli」というアプリのプラットフォームからはじまり、「Yappli for Marketing」というマーケティング支援の文脈を中心にお客様を支援してきました。ここ2年ほどでは、アプリから始まる顧客管理システム「Yappli CRM」をリリース。最近リリースした「Yappli UNITE」では、組織エンゲージメントを強化するために自社アプリをご活用いただいています。

-- その中での、市川さんの役割について教えていただけますでしょうか?

ヤプリには、開発・マーケティング・セールス・カスタマーサクセスと4つの大きな本部がありますが、そのなかで私はカスタマーサクセス本部の責任者を担当しています。
カスタマーサクセス本部では、プロダクトをご契約いただいてからお客様に活用開始いただくオンボーディングと、プロダクト導入後お客様の成功に伴走するアダプションの主に2つの機能を担っていて、2023年10月時点で部門としては68名の規模になります。

キャリアの転換点 ー市川さんを支えになっているものー

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-- これまでヤプリを含め、4社をご経験されています。その中でも「ここが今のキャリアに至るきっかけだった」というポイントを教えていただきたいです。

2社目のブレインパッドの時に得た、自分自身への実感が今のキャリアに繋がっていると思います。

-- 具体的にはどのような実感を得たのでしょうか?

ブレインパッドには「なるべく小さな会社、かつ難易度の高いBtoBプロダクトを扱うことで自分自身のセールスとしての実力を磨きたい」と当時80名規模のタイミングで入社したものの、最初はプロダクトや業界に関する用語を理解することもやっとでした。

また、規模が小さいタイミングだからこそ教育に時間を割ける状況ではなく、のちに売れるようになったものの最初の3年間はセールスとしてまったく売れず苦戦しました。我慢いただいたブレインパッドには何よりも感謝しています。

この期間で実感したことは「自分は苦しいことがあっても、我慢できる」ということです。これまでビジネスの場面でうまくいかない局面もたくさんありましたがブレインパッドでの「ここまでは頑張れる」という体験が自分の支えとなっていると思います。

-- ブレインパッドで苦戦していた時期から売れるようになったブレークスルーポイントは何だったのでしょうか?

とあるナショナルクライアントに担当として向き合い、受注できたことが1つの振り返りポイントでした。

過去はお客様と話していても用意した資料を見ながら話していたのですが、その商談の頃には資料を見ずともお客様へ自分自身の言葉で対話をし、受注を獲得することができていました。また、それ以降も他のナショナルクライアントから契約を取れるようになったので、ブレークスルーポイントはそこだったなと感じます。

-- なにかきっかけがあったのでしょうか?

話としては面白くないかもしれませんが、なにか特別なきっかけがあったわけではありません。それまで数々の失敗やインプット、アウトプットを重ねてきた中で、そのタイミングでふと今まで点だったものが線につながったということにつきると思います。

スタートアップと外資系大手企業の違い ー仕組みをつくっていく面白さー

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-- その後オラクルへと転職されますが、その時の心境について教えてください。

外資系大手という舞台で、セールスとして通用するのか確かめたいという想いから転職しました。ブレインパッドでセールスとして成果を残せるようになったものの、果たしてこれがブレインパッドだけで通用するものなのか、他の企業でも通用するものなのか自分ではわかりませんでした。

なので、自分のキャリアを客観的に評価するためにもどれくらいやれるのかチャレンジしてみたいと思いました。

-- 実際にオラクルへ入社されてみて、どう感じましたか?

スタートアップとの違いを感じました。スタートアップは基本的に仕組みが整っておらず、自分たちで道を切り開いていくしかない。

逆に外資系大手企業であるオラクルではしっかりした仕組みがあり、その仕組みに沿って動いていくというスタイル。BtoBビジネスにおいて前職では仕組み化を進めている最中だったので、私にとっては新たな知見を得られる環境でした。

ヤプリでも組織が拡大するにつれ仕組み化を進めていますが、オラクルで仕組みを体感していなかったら今のように組織をつくる動きができていなかったかもしれません。そういう意味でオラクルを経験してよかったなと思います。

ヤプリを選んだ理由 ーそのプロダクトと一緒に働く人にワクワクできるかー

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-- 外資系大手企業から、再びスタートアップを検討しはじめたきっかけについて教えてください。

私がキャリアを選択するうえで最も大切にしていることがあります。それは「そこでワクワクできるか」ということです。

オラクルはよい環境でしたが、もっとワクワクできる環境で、仕組みがすでに整ったところではなく自分自身が立ち上げていくところで挑戦したく、転職を考え始めました。

-- その中でヤプリを選んだ理由は何だったのでしょうか?

ヤプリのプロダクトと一緒に働く人、そしてその中でカスタマーサクセスをしていくことに心からワクワクしたからです。

-- 市川さんのワクワクポイントについて、それぞれ具体的にお伺いしたいです。

プロダクトについては「明確にこれ」という基準はないですが、自分自身がそのプロダクトを見たときにワクワクできるかを大事にしています。ヤプリについては元々オラクルにいたときから存在は知っていたのですが、ノーコードでアプリがつくれるすごさと、プロダクトとしての市場優位性にワクワクしましたね。

-- 一緒に働く人という意味ではいかがでしょうか?

ヤプリの選考を受けたときにCEOの庵原と話し、とても印象的だったのはチームで勝ちにいく企業だというところです。

世の中には強力な個人が旗を立てて事業を引っ張っていくチームもありますし、そのようなカルチャーもありだと思います。ただ、私は個ではなくそれぞれの強みを活かしつつチームで動いていく人が集まっているヤプリが好きだなと思います。

-- ヤプリにはカスタマーサクセス部門の立上げとして入社されていますが、セールス職からカスタマーサクセスに方向を変えた理由についても伺いたいです。

それまでのセールス経験を経て、受注を獲得するよりも、プロダクトを手にしたお客様の成功に伴走するほうが圧倒的に好きだと気づいたからです。どうせやるなら自分自身が幸せに感じる方向に振り切りたい。そう思い、オラクルから転職するタイミングでカスタマーサクセスの道を選ぶことに決めました。

理想の組織とは ーそのときの最適へ変化させていくー

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-- カスタマーサクセス部門の立ち上げとして入社され、今カスタマーサクセス本部として組織が拡大するまで、組織として変化を求められる場面もあったのではと思います。

ヤプリに入社したとき、カスタマーサクセスの部隊は私ともう2人の3人で、まずはプレイヤーとして手を動かしながらカスタマーサクセスの部隊を作り上げることを進めました。当時はまだまだ人数も少なかったので、組織を作る部分でもそれほど大変だと感じたことはありませんでした。

ただ、物事がうまく行っていない時に既存の仕組みを壊したり、新しく作り上げたりする点は、難しさを感じたポイントです。

-- うまく行っていない時に例えばどのようなタイミングで「壊す」ことを選択されるのでしょうか。

「壊す」というと少し表現が強いですが、仕事を進めていく上で「これがいい形なのか」と疑問を感じたタイミングでやり方を変えることを意味しています。例えば仕組みとして「スプレッドシートでの管理をやめて別のソリューションを導入しましょう」ということや、細かいところだと「打ち合わせの進め方がイマイチなので会議体を変えましょう」ということなどです。

-- これまでのやり方を変える進め方についてもお伺いしたいです。

自分自身が「変えたほうがいいのではないか」と感じた際に一緒に動いているメンバーや別部門の本部長に対して「こうした方がいいと考えているんだけど」とカジュアルに話してみて、変えたほうがいいとなったなら変えるようにしています。正解はないと思いますが、今のヤプリにとってどのやり方が最適なのか常に模索しながら動いていますね。

市川さんの活躍の背景 ー他の人よりも我慢できることが武器ー

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-- 現在ヤプリの執行役員として活躍されていますが、市川さんが今のように活躍されるに至った背景としてご自身ではどのように捉えていますか?

これまで多くのビジネスパーソンと話してきましたが、私よりも優秀だと感じた方は数多くいます。ただ、もし私と他の方で大きく違う点をあげるなら「我慢強さ」だと思います。

優秀な人でも難しい場面に直面したときに諦めてしまうこともあります。その中でも私は諦めず我慢強くやり続けられたからこそ、ここにいられるのだと考えます。

-- 我慢強くやり続けることは簡単なことではないと思います。市川さんが、苦しいときでも頑張り続けられたのはなぜなのでしょうか?

キャリアを選択する軸にもなっている「ワクワク」が、我慢強くやり続けるための原動力になっていると思います。

自分自身がワクワクするようなプロダクトで一緒に働いてワクワクするような人たちと仕事をすることができれば、たとえ苦しい場面に直面したとしても我慢強くやり続けられる。また、私自身一緒に働く人たちにも、お客様にもそのワクワクを感じてもらえるといいなと思い、日々活動しています。

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EVANGE - Director : Kana Hayashi / Creative Director : Munechika Ishibashi / Interviewer : Akinori Tachibana / Writer : Sachi Tomoda / Editor:Akinori Tachibana / Assistant Director : Makiha Orii / Photographer : Shota Matsushima

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