「テクノロジーで地球を救う」環境問題に人生をかけるリアルテックファンドTeam Developer藤井 昭剛の意志

2019-11-15

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藤井 昭剛 ヴィルヘルム(Akitaka Wilhelm Fujii)
東京大学大学院修士課程(国際協力学専攻)修了。気候変動対策イノベーションのインキュベーション事業やアクセレレーターを運営するEIT Climate-KIC(株)に入社。複数部署の立ち上げに関わり、チーム設計・採用・チームビルディング・評価など人事業務に携わる他、2017年には全社の人事制度改革タスクフォースの責任者となる。また、出資先の環境インパクト評価も担当し、幅広い気候変動対策イノベーションに触れる。
2019年3月、チームデベロッパーとしてリアルテックファンドに参画。出資先ベンチャーの成長を加速するための採用・チームビルディング・人事制度設計等、幅広い人事業務のハンズオン支援を行う傍ら、リアルテックファンドのエコシステム形成に貢献する。

目次

  1. リアルテックファンドが取り組む「人類と地球の課題を解決するベンチャーへの支援」
  2. 採用だけではない、Team Developerの役割とは
  3. 前職、EIT Climate-KICでの経験について
  4. 環境をどうにかしたい、という思いで入った大学時代
  5. 環境問題解決に取り組む同志が集った、初めての職場
  6. Climate-KICからRTFへの転職
  7. RTFに行こうと思ったきっかけ。永田暁彦という人物
  8. 世界的な環境改善に人類は何ができるのか
  9. 地球を救いたいニューエリートへ

リアルテックファンドが取り組む「人類と地球の課題を解決するベンチャーへの支援」

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--今の仕事と、ヴィルヘルムさん(以下、ヴィルさん)のお仕事を教えてください。

リアルテックファンド(以下、RTF)は、今着ているパーカーの裏にも書かれているのですが、「技術の力を、未来の力に」というキャッチフレーズの下、人類や地球の課題解決に挑戦するベンチャーを支援しています。世の中にはベンチャーキャピタル(以下VC)として認識されていると思うのですが、本質的には、「人類と地球の課題を解決する研究開発型の革新的テクノロジーの社会実装」をしています。今後は、通常VCがやらないような、産業全体を創るようなことにも挑戦していきます。

--産業全体を創る活動についてもう少し詳しく教えていただけますか?

例えば、Space Food Xという共創プログラムを立ち上げて、新しい産業を創ることに挑戦しています。近年、宇宙開発が物凄いスピードで加速していて人が月面などの宇宙で暮らす時代が近づいています。人間が宇宙で暮らす時にも、食べ物が必ず必要になりますが、宇宙という遠く厳しい環境でどのように効率よく食事を人間に提供していくか、人間らしく食事を楽しめるような環境をどのように作るかといった事がテーマになってきます。また、地球上でも人口増加により、食を取り巻く様々な課題が深刻化しています。私たちは、宇宙と地球で共通する食の課題の解決を目指してJAXAと提携し、弊社出資先スタートアップや、出資関係のないスタートアップ、大企業、大学らと共に、新しい産業を創出・成長させる共創プログラムを推進しています。このように、投資だけではなく、産業全体を変革・成長させるためにはどうするかということを常に考え、行動しています。

もともと、創業メンバーはVC事業を一番の目的としてRTFを設立したわけではなく、設立当時の5年前は、良い技術を持っている研究者や技術者が今以上にお金を集めにくい時代だったので、そういったところへリスクマネーを供給できるファンクションが必要だったから作ったという経緯があります。

--今はディープテック・リアルテックが盛り上がってきてますよね。

仰る通りで、最近は、ディープテック・リアルテックが盛り上がりを見せてきています。ただ、例えば社長一人しかおらず、研究開発に、10年の歳月を要するようなベンチャーに出資するVCはまだほとんどいません。なので、RTFでないとできないところには引き続き投資もしつつ、他のVCと協力しながら、次のチャレンジを仕掛ける段階にきているかなと思っています。

採用だけではない、Team Developerの役割とは

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--ヴィルさんのRTFでのお仕事を教えていただけますか。

今は「Team Developer」いうタイトルで主に二つの役割を担ってます。

一つは採用。いわゆるHRブースターとしての役割です。特にリアルテックベンチャーだと、創業者が技術者や研究者である事が多いので、ビジネス界との繋がりがほとんどない場合もあります。よって、ポジションでいえば、CFOやCOOといったCXOを中心に、ビジネスサイドのキープレイヤーの採用支援をしています。

もう一つは組織づくりとしての役割です。ここにTeam Developerという名前の由来があります。
他のVCだとそこまで注力していない部分かもしれませんが、RTFでは組織づくりを非常に重要視しています。特にリアルテック領域の創業メンバーは、初めて起業し初めてベンチャー経営をするケースが多く、マネジメントや組織づくりについて何も道しるべが無いまま10人、20人と人を採用・マネジメントしなければならない状況に陥ることも多々あります。

前職の経験上、このようなケースでは、順調に規模拡大してきたと思っていたベンチャーの成長がある日突然止まり、社内がメンバー間の意見の食い違いで火だるま状態になってしまうことがよくあります。例えば、スキル重視で採用を進めたものの、カルチャーフィットしておらず、小さなひびが致命傷となって、事業自体が失敗してしまうケースを実際に見てきました。そのため私は、なるべく初期の段階から事業戦略と組織戦略を包括的に描くことを推奨しております。具体的には、マッキンゼーの7Sという考え方を参考にして、リアルテックベンチャーなりの組織づくり論を作り上げていければと考えております。

前職、EIT Climate-KICでの経験について

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--一般的なIT企業だと必要なスキルがある程度わかりやすいですが、ディープテックは、例えば、ユーグレナと、未来機械だと要件も全然違いますし、テクノロジーの理解がそもそも難しそうです。前職までの経験が活きてる様に見えるのですが、どんな職場だったのですか。

前職はヨーロッパにある「EIT Climate-KIC(以下Climate-KIC)」という会社でした。ミッションは気候変動対策分野でイノベーションを起こすことです。

気候変動分野のイノベーションにおいて重要課題であれば基本的に全て検討対象で、事業形態としては、起業家教育・ベンチャー支援・産学連携プロジェクトの推進などを行っていました。世界50ヶ国、100都市以上で毎年開催されている世界最大の気候変動対策特化型のハッカソン「Climathon」や国連気候行動サミット2019にて世界経済フォーラムと共同ローンチした自動車産業の環境負荷を軽減することを目的とした新しいイニシアティブ「Circular Cars Initiative」などはその活動例です。

設立の経緯を簡単に説明すると、もともとはEUが、「グリーン経済」という次に到来するパラダイムにおける経済競争に負けまいと始めた取り組みです。アメリカ、中国、インドなどで既に大規模投資が行われていたので、強い危機感から生まれた機関だったと思います。
設立から間もないころは公的資金のみで活動していたのですが、経済的な持続可能性の観点から独立し、法人化しました。

--HPを見るかぎり、とても多国籍企業ですよね。どうしてそんなに多国籍だったのですか?

Climate-KICは、もともと別々の国にある6つの大学の連合体から成り立っていました。同じ目的の下活動していたものの、実質的には6つの全く別の会社に別れていました。その6社が一緒になって一つの会社を作るという事で、私自身も創業メンバーとして初日から6つの会社の企業統合業務を担当していました。

--そこでのヴィルさんの役割は?

私がやっていた事は大きく3つ。一つは新規部署の立ち上げ。事業計画を作って、新規部署として立ち上げて、そのあとの採用からチームビルディングまでを3周しました。2つ目は、会社として正の環境インパクトを高めることを目的とした、環境アセスメントプロジェクトのマネジメント。最後は、全社的な人事制度改革プロジェクトのリーダーをしていました。

6つの会社が一気に合併したこともあり、組織づくりは本当に大変でした。Climate-KICのメンバーは大学職員が過半数でしたが、直属の上司は、SwissREという再保険会社出身だったように、大手企業から来ている人も、一定数いました。また、「ヨーロッパ」と一括りに似たような文化を持っていると思われがちですが、国によって全然文化が違うのです。国籍、文化、所属企業、バックグラウンドが様々だったわけです。

--どれも意義がありそうですが、特に多国籍の人たちをリードしていくにあたって気をつけたことがあったら教えてください。

相手のことを理解しようとする努力をした上で、なるべく率直にフィードバックするコミュニケーションをとる事を大切にしていました。

マネジメント手法において非常に参考にさせてもらっている『Radical Candor』という本があります。タイトルを直訳すると、“徹底した率直さ”です。至ってシンプルな内容ではありますが、人のマネジメント、特にコミュニケーションにおいて大切なことが盛り込まれている良書です。
本ではマネジメントスタイルを2つの軸を使って、2×2のマトリックスで説明しています。縦軸は相手のことを個人的にどれだけ思いやれるか、横軸は批判や異議であってもどれだけ率直に物事を言えるか。最悪なのが相手のことを全く思いやらず、ただただ攻撃的にコミュニケーションをとることで(パワハラなどがこれに当たります)、理想的なのが相手のことを思いやりながら率直に物事を言う事だというのは分かりやすい話かと思います。

ここで良くやりがちな間違いが、相手のことを思いやるばかり率直にコミュニケーションを取らなくなることですが、実はこれが最もやってはいけないことでもあります。パフォーマンスがあまり良くない部下に対して、ネガティブなことを率直に伝えることを躊躇って正しく伝えられずにいると、当人もそのことについて認識できないため、すれ違いが発生してしまいます。しかし、こういったすれ違いが原因で当人の解雇や組織全体のパフォーマンス低下につながることが多々あります。
これは一番最初についた上司のRadical Candorな姿勢から学び、あとで本を読んだ時に、とても腑に落ちました。今でも常に頭の片隅に置いている私の軸ですね。

環境をどうにかしたい、という思いで入った大学時代

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--ヴィルさんは生まれがスイスですが、日本へ来られて、環境にフォーカスを当て始めるまでの軌跡を教えていただけますでしょうか。

スイス/チューリッヒで生まれ、中学校3年まではスイスの日本人学校に通っていました。そのあと、残念ながらもう閉校になってしまったのですが、ドイツにあったドイツ桐蔭学園高校に2年行き、3年目は横浜の桐蔭学園に1年間通いました。

両親や学校など、育ってきた環境に大きな影響を受け、高校生になるころには自分の価値観の根本が形成されていったと思います。特に母親は、愛情豊かで母性本能が強く、自分と何の接点もない人でもわが子の様に愛せる人です。そのこともあってか、小さいころから母親から、アフリカで飢えに苦しむ人たちの話を聞き、ご飯を食べられない子供たちもいるから、食べ物を大事にするよう言われて育ってきました。

中学の先生の中にも、日本の文部科学省からガーナへ派遣されて2年間教師をしていた人がいて、貧困問題の話をよく聞いていました。例えば、「12歳の子供が、瓶を割って、ガラスを食べて観光客からお金をもらっている」などの話には大変衝撃を受け、その後忘れることができませんでした。

そういった経緯もあり、途上国の貧困問題に興味があったので、社会システムの変革方法を学びに早稲田の政治経済学部に入学しました。

在学中に、いわゆる「貧しい人」たちが森などの自然環境に住んでいることが多い事と、実は貧困問題と環境問題が非常に密接に結びついている事が徐々にわかってきました。

地球にとって非常に重要な役割を果たしている森林を、「貧しい人」たちが自分の生活を成り立たせるために伐採していることが問題になっていることは良く耳にする話だと思います。環境問題は非常に緊急性が高いという事で、その結びつき、トレードオフをどうバランスしたらいいのか学びたくて、大学院は本分野の権威が在籍している東大に身をおいて研究をしていました。

そこから将来何をするか、自分の中で大きく二つの選択肢がありました。一つは制度設計の観点。国連等の国際機関に入り、社会システムそのものを変えていく道。もう一つはビジネスサイドで、最先端のテクノロジーを使って解決して行く方針を模索していく道。両方検討する中で、ビジネスがよりスピーディに動いているという事に気づきました。だから、今最先端にどのような技術があって、それが環境問題にどうアプローチして貢献できるのか知りたいと考えビジネスの世界に飛び込みました。

環境問題解決に取り組む同志が集った、初めての職場

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--環境に取り組んでいるClimate-KICにも同じ様なマインドの方が集まっていたのですか?

そうですね。気候変動に対して危機感や逆にビジネスチャンスを見出している人ばかりでした。採用も、基本的にマインドファーストでした。週一回は皆でベジタリアンランチをすることやオフィスの家具を全部リユースで揃えるなど、ユニークなカルチャーが当然の如くあったのもマインドセットが同じだったからだと思います。言語も違うし、バックグラウンドがバラバラだったので、マインドが唯一みんなを繋げていたのかもしれません。


--Climate-KICで尊敬する上司には出会えましたか?

私が最も尊敬する人の1人は最後の社長でした。オーストラリアのサンコープという会社出身の女性の方でした。とてつもなくビジョナリーで、人に寄り添い傾聴する一方、変革を起こすときには圧倒的なスピード感をもって実行するという、人間力と実行力を併せ持っている方でした。リーダーとして、経営者として、尊敬できる人です。

Climate-KICからRTFへの転職

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--さっきのRadical Candorですね。まさに“同志”が集まる環境から、どうして転職しようと思われたんですか?

実は帰国して1年以上遠隔で前職の仕事をしていて、それを続けることもできる環境でした。ただ、Climate-KICでは勤続年数が4年半以上ある人が多分20%いないくらいで、周りから頼られることも多くなってきましたが、同時にプレーヤーとしてもっと仕事したいという気持ちが湧いてきました。

また、扱っているプロジェクトが国単位のプロジェクトということもあり、レポーティング作業も多く、このスピード感で本当に世界を変えられるのかという疑問が湧き、次の舞台に進むべきなのではないかと思い始め、転職活動を開始しました。


--たくさんのスカウト文がきていたと思うのですが、どうして反応してくださったのですか?

シンプルに、for Startups, Inc.自体が面白そうだなって思いました。他とは明らかに色が違うと思いました。

幸せなキャリアづくりを謳っているエージェントが多いと思うんですが、正直それは当たり前の話で、日本の成長産業を支えるという、全く違う視座を持っているところが面白いと思い、会ってみようかなと思いました。


--そこで私と出会い、XR業界を語られるという事件がありましたね(笑)。

あの衝撃は忘れません(笑)他のエージェントの方と会った時は、私のこれまでのキャリアを踏まえて、外資系のコンサルとか紹介されたんですけど、弘中さんは、「せっかくなので先週起業家から直接聞いた最新トレンドを聞いてください!」 と、いきなりXR業界の話を楽しそうにし始めたのでびっくりしました(笑)最初は困惑しつつ、最終的には話し合いを重ねていく中で、他のエージェントとは全く異なる選択肢を与えてくれたのが、弘中さんというヒューマンキャピタリストでした。

RTFに行こうと思ったきっかけ。永田暁彦という人物

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--ありがとうございます。初めてお会いした時に何をやりたいか聞いたら、「地球を救いたい」って言われて。その直後にたまたま永田さんがオフィスにお越し下さった時にヴィルさんの顔を思い出し、紹介させていただきました。今の仕事はいかがですか?

めちゃめちゃ楽しいですね。ジェットコースターのような日々を過ごしています。1日にアップダウンがあって、最高と思う瞬間と、最悪だなと思う瞬間が何度も来るみたいな感じです。まさにベンチャーライフ。その中でも向かってる方向やビジョンがブレずに本当に価値ある仕事ができているなと。すごく嬉しく思っています。

--ヴィルさんにとって、永田さんはどんな存在ですか?

同じミッションのために戦っている「仲間」であり、経営者として非常に尊敬している人です。

実は転職活動しているときに、弘中さんからもう一社素晴らしいベンチャーを紹介していただいたのですが、永田さんの記事を読んで衝撃を受け、RTFから内定をもらう前にそっちのベンチャーを辞退しちゃったんです。

記事には、「人類を資本主義から解放して進化させる」というメッセージが書かれており、目指している世界観に惚れ込みました。

世界的な環境改善に人類は何ができるのか

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--地球を救いたいという思いでRTFに飛び込まれましたが、理想とする世界観をザックリと教えていただけますか?

個人的に掲げているテーマは、「機会の平等性」です。貧困問題も環境問題もいろいろ突き詰めていくと、生まれた場所とか、時によって、与えられている機会が全然違うというところに行きつくと思っています。単純に、そんな世界って嫌だと思っています。その機会の平等性をなるべく担保できるような世界にしていきたいです。

--なるほど、人類に対して思う事ですね。人類から地球に対してできる事って何がありますか?地球ってこのままで大丈夫なのでしょうか。

人類はこの先20~30年くらいが勝負だと思っています。今世紀半ばには、CO2を全く排出しない、あるいは排出してもそれがどこかで吸い取られるとか蓄積される世界にしないといけない。それこそユーグレナの「寿司が消える日」じゃないですが、今何気なく食べているものが食べられなくなったり、今年日本を何度も襲った豪雨がもっと頻繫に発生したりする世界がすぐそこまで来ているんです。私たちの世代が地球と人類の大きなカギを握っているのは間違えありません。

--環境の問題って色々なステークホルダーがいて、課題も大きなところだと思いますが、世界からみて日本に思うことがあれば教えてください。

ヨーロッパでは、政府・企業・研究機関・市民が一体になって動き始めています。注ぎ込まれるお金も全然違いますし、産業構造、社会構造が変わってきている。対して、日本はまだまだの部分が多いと感じます。結局、唯一の解決策があるわけではないので平凡な答えになってしまいますが、多角的に攻める必要があります。それこそ、企業も上手に政治・政策を利用して事業を推進するべきだと思います。

また、個人的には、人がどうやったら行動を変えるか、突き詰めて考えていく必要があると思っています。強制されながら、苦しみながらやるのではなく、楽しみながら自然と環境に良い行動をする為にどう働きかけるのか。ここは、消費者行動を徹底的に研究しているメーカーから学ぶべきものはたくさんあると思っています。

地球を救いたいニューエリートへ

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--最後に、リアルテック領域で、未経験から飛び込めるのかなど不安を持っている人は多いと思います。スタートアップやリアルテック領域で勝負したい人へ向けてのメッセージをいただけますか。

前提として、スタートアップか否かという線引きって、果たしてどれくらいの意味があるか疑問に思います。

スタートアップだからという理由だけで最初から見向きもしなかったり、躊躇したりするのは非常にもったいないと思っています。実はスタートアップの方が、自分がやりたいことができる事も多々あります。

ベンチャー業界全体の待遇もよくなってきていますし、もともとある程度のスキルを持っている人だったら、一回くらい失敗してもその中で学びがあるはずです。私が採用担当者だったら、挑戦した上での失敗経験はむしろプラスに捉えます。
また、会社のフェーズによって求められるスキル・特性も全然違います。例えば、大企業からベンチャーに転職することをためらう方とよくお話しますが、実は量産や拡販フェーズを筆頭に大企業出身者の方が活躍しているケースは多々あります。ベンチャーを一緒くたにせず、ケースバイケースで判断することが大切かもしれませんね。

技術的な要件も色々あるんですけれども、そこよりは、技術に対するリスペクトだったり理解しようとするマインドがある人だったら、スキルは身につけられると思っています。実際に他業界から参画して活躍しているCXOも数多くいます。

冷静に見極めれば、ご自身のスキルを活かし、活躍できる場があるんじゃないかなと思います。地球と人類のために仲間になっていただけると嬉しい限りです。

EVANGE - Director : Kanta Hironaka / Creative Director : Munechika Ishibashi / Assistant Director : Yoshiki Baba / Assistant Writer : Ryohei Watanabe / PR : Hitomi Tomoyuki / Photographer : Jin Hayato

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