その人にとってふさわしい機会がしっかり届く世界をつくりたい。LAPRAS 代表取締役CEO 染谷 健太郎氏の価値提供への意志決定
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その人にとってふさわしい機会がしっかり届く世界をつくりたい。LAPRAS 代表取締役CEO 染谷 健太郎氏の価値提供への意志決定

「すべての人に最善の選択肢をマッチングする」をミッションに、エンジニア領域のキャリアマッチングプラットフォームを提供するLAPRAS株式会社(以下、LAPRAS)。

2022年2月より同社の代表取締役CEOに就任した染谷 健太郎(Kentaro Someya)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc. の橘 明徳(Akinori Tachibana)と申します。

私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計650名以上のCXOを含むハイレイヤーや経営幹部クラスのご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。

EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

染谷 健太郎(Kentaro Someya)
東京大学卒業後、2009年に新卒で株式会社リクルートジョブズ(現 株式会社リクルート)に入社。求人広告の営業として活躍後に、事業開発部に異動。新規事業の企画職として外食・小売業向けのSaaSサービスなどを立ち上げ、プロジェクトリーダー、マーケティング、プロダクトマネジメントなど複数の役回りを歴任。プロジェクトリーダーを務めるサービスで複数の賞を受賞。その後、2018年に株式会社scouty(現 LAPRAS)にプロダクトマーケティングマネージャーとして入社し、toCサービス『LAPRAS』の立ち上げやtoBサービス『LAPRAS SCOUT』の事業責任者を経て、2020年10月より執行役員 COOに就任。2022年2月からは代表取締役CEOに就任し、組織全体を統括する。

『すべての人に最善の選択肢をマッチングする』LAPRASの事業とは

-- まずは、LAPRASの事業と染谷さんが担われている役割について教えていただけますか?

LAPRASでは、求職中のエンジニア(=toC)と、エンジニアを採用したい企業(=toB)の双方に対して、エンジニア領域のキャリアマッチングプラットフォームを提供しています。

求職者であるエンジニアには、SNSなどWeb上のアウトプットを元に自動でポートフォリオを作成できるサービスや、求職者の技術力をスコアリングによって可視化するサービスを展開しています。

また企業向けには、『LAPRAS』に登録してるエンジニアにスカウトを送ることで、採用活動を支援するスカウティングサービスを提供しています。

その中での今の私の役割はCEO兼事業責任者で、一般的なCEOとCOOの双方の役割を担っているイメージですね。

人に関わる事業という軸で選んだ1社目

-- 新卒で株式会社リクルートジョブズ(以下、リクルートジョブズ)に入社されていますが、就職活動ではどんな軸で企業を検討されたのでしょうか?

「人に関わる事業を展開している」という軸で企業を探しました。

事業運営において、人が大事なことは今も昔も変わらないと考えています。その中でも、特に中小企業に対して、その会社を大きな成長に導く人材の採用支援ができれば、介在価値も大きいと考え、リクルートジョブズを選びました。

-- なにがきっかけで中小企業の採用に課題を感じられたのでしょうか?

親が中小企業を経営していたことが大きいかもしれません。100年以上つづいた薬局を経営していたこともあり、子どもの頃から中小企業の社長と接点を持つ機会が多く、そこでさまざまな経営者の話を聞く機会がありました

その中で、「この企業にもっとこういう人がいれば良いのに」と感じる場面が多くあり、採用を通じて中小企業に貢献することは面白そうだという想いを持つようになりました。

営業として成果を出して芽生えたサービスづくりへの想い

-- 中小企業に貢献したいという想いを持ってリクルートジョブズに入社されましたが、入社後はいかがでしたか?

営業として入社したのですが、入社後半年間はまったく売れず、挫けそうなときもありました。

ただ、目先の売上をつくることよりも、お客さんに対して価値を提供することが本質という考えは、常に持ち続けていました。

そのため、焦って目先の売上をつくりにいくのではなく、良い商談、良い提案を行い、その結果売れるべくして売れるという土台づくりにこだわり、上司からも商談の組み立てを構造的に分解して教えてもらったこともあり、徐々に営業として成果が出せるようになりました。

-- 成果を出せるようになり、染谷さんの中で価値観の変化はありましたか?

いち営業だと、自分が対面している相手にしか価値が届けられないことにもどかしさを感じるようになりました。

サービスをつくれば、これまでよりも多くのお客さんに対して価値貢献ができる。その方が、世の中に対して介在価値が大きいと思い、思いきって異動希望を出した結果、社長直下に新設された事業開発部で新規事業の立ち上げを任せてもらえることになりました。

新規事業で感じた難しさと今につながる学び

-- 事業開発部に異動されてからは、どのような役割を担われたのでしょうか?

事業開発部では、新規事業の企画から始まりプロジェクトリーダー、マーケティング、プロダクトマネジメントと幅広い役割を担当しました。

-- 営業との違いで苦労されたことはありましたか?

たくさんありましたが、異動直後に、新規事業について社内で企画を通すことが1番難しかったです。

当時の事業開発部で企画を通すには、役員会での起案が必要でした。そこでは営業時代には経験しなかったような、あらゆる角度からの質問に対する強い論理性が求められ、当時26〜27歳の自分が持っていたスキルとのギャップが大きく、苦しみました。

-- 新規事業に携わる経験から学び、今に活きていることはなんでしょうか?

大きく2つあって、1つは視座の高さです。

新規事業の企画を通す際、私が当時の私が考えた数億、数十億規模の企画に対して、部長が考える企画は数千億、場合によっては数兆の規模を見越したもの。「このレベルの視座で考えなければいけないのか」と、当時は圧倒的なスケールの違いを感じましたね。今では、事業の方向性を考える上で、「どのくらい大きなチャレンジができているか?」と、目指すべき目線の高さの基準につながっていると感じます。

もう1つは企画職で生き残っていくためのスキルの身につけ方です。

事業開発部長とは別に、実務面で伴走してくれるマネージャーがいたのですが、その方からは、新規事業領域の企画職をやっていく上で必要になるスキルや、スキルを学ぶための本を教えてもらいました。

事業開発部に異動した初日に、数十冊の本のリストを渡されて「これを1日1冊読んでいってね」と言われ、面食らったことは今でも覚えています。ですが、本を読んで、本に書いてある良さそうなことを実践すると、少しずつですが、仕事がみるみるうまく行くようになり、結果的にスキルも身についていました。

この経験を経て、どんなスキルでも勉強して実践すれば身につくという自信にもなりました。これまでを振り返っても、新しいスキルを取り入れながら事業成長のために実行していけば、ポジションやチャンスはあとからついてくる、ということを実感していますので、今後もスキルはしっかり身につけていきたいですね。

自分の意志決定で事業を思いっきりつくりたい思いからスタートアップへ

-- その後リクルートジョブズから現職LAPRAS(当時の社名は株式会社scouty)へ転職されていますが、スタートアップへの転職を考えられるようになったきっかけを教えてください。

いくつかありましたが、きっかけとして大きかったのは、担当していた事業が黒字化を果たし、タイミングとしてキリがよかったこと。また、もう1度リクルートで別の新規事業に携わることも考えましたが、それは成熟した組織がすでにある中で事業をつくることになります。

対してスタートアップでの事業づくりは、事業だけでなくその事業を推進するのに適した会社ごとつくりにいく、というイメージでした。

どちらが楽しいかを考えたときに「スタートアップで自分の意志決定に基づいて会社ごと思いっきりつくっていく方が、より自分の力による勝負が出来て楽しいだろうな」と思い、特にアーリーフェーズのスタートアップに絞って転職活動をはじめました。

-- そのタイミングでフォースタートアップスの代表 志水 雄一郎とお話いただきましたが、LAPRASを紹介されたときの印象を教えてください。

志水さんにはいくつかの企業をご紹介いただいたのですが、その中でも社名を聞いたことがなく、興味を持ったのがLAPRASでした。話を聞きに行った際は、社員5名と人数がもっとも少なく、事業もアーリーフェーズで、まだなにも整ってないなと感じたことを覚えています。

-- なぜLAPRASに入社を決められたのでしょうか?

理由は2つあって、1つは自分の介在価値を発揮できる環境であること。もう1つは裁量が大きく、自分の意志決定で仕事を進めていくことができると感じたことが決め手でした。

当時のLAPRASはプロダクトはあるものの、しっかりと事業をつくれる体制ではありませんでした。逆に言えば、私が入社して事業推進を担うことで、この会社の生き死にや勝ち負けが決まるような、そんな介在価値を発揮できるチャンスを感じました。

また、経営陣も「その領域に強い人に任せたい」という考えだったため「ここなら裁量を持って、私自身の意志決定で仕事をしていけそうだ」と感じ、入社を決めました。

経営目線で考え、自ら立ち上げたtoCプロダクト

-- LAPRASに入社され、実際に染谷さん自身の意志決定によって、事業の転機となった出来事について教えていただけますか?

大きく2つあります。1つは会社としての事業成長を考え、toC向けの新規プロダクトを立上げ、会社の柱になるまで成長させたことです。

当時の事業は、LAPRASが提供する人材データベースに対して企業がスカウトを送るというtoBサービス(現『LAPRAS SCOUT』)のみでした。

ですが、サービスを利用していただく企業とエンドユーザーによりよい価値を提供したいと考えると、toC側のサービスを作成して登録を集め、toC/toB双方に高いサービスレベルを提供していく必要があると考えました。そこで、経営陣に提言し、toC側のサービス (現『LAPRAS』)を立ち上げました。

-- スタートアップでは目の前の事業に集中することが求められる中、なぜ一歩引いた目線で考え、新規サービスを立ち上げることができたのでしょうか?

リクルートジョブズの新規事業立ち上げを経験して感じたことですが、事業をつくっていくためには、自分がどんな役割であれ、主体者として事業を前に進めるために必要な提言をするべきだと思います。toC側のサービスの立ち上げ当時、私の主な役割はtoBマーケティングでしたが、事業を客観的に俯瞰した時にやるべきだと考えましたし、そこに迷いはありませんでした。

機能リリースに苦戦。メンバー全員と話したtoB事業の改善

-- LAPRASに入社されて転機が2つあったと話されていましたが、もう1つについても教えていただけますか?

既存のtoBサービスの事業責任者になったことです。

toCサービスの『LAPRAS』の立ち上げが上手く行ったあとだったのですが、当時toBのプロダクトはお客さんに喜んでいただける機能のリリースに苦戦している状況でした。

-- どのように改善されたのでしょうか?

最初にメンバー全員と話して、そのあと体制や方針を組み替えました。当時、事業部のメンバーは20人ほどでしたが、なにが進みづらく、なにに困ってるかを全員と話しました。

そこで見えたのは、メンバーそれぞれが一生懸命がんばっているものの、共通で目指すべき指針がはっきりしていないため、連携がうまくいっていない現実でした。

そこで「もっとマッチングをつくろう」「よりプロダクト開発のバックログを詳細につくろう」といった共通の指針をつくり、より全体感を把握して動ける人に裁量を持たせる形に体制を変えた結果、toBプロダクトが良い形で機能リリースできるようになりました。

-- 体制変更など会社の命運を左右するような施策を進められるとき、どのように戦略を考えるのでしょうか?

戦略を考えるときには客観性が重要だと思っています。他者の視点を取り入れるために、私は本を読むようにしています。

起きた課題に対して経験があってうまく対処できるのは当たり前ですが、重要なのは経験していない課題に対しても、うまく対処することです。そのためには、自分が考えた課題解決への施策を客観的に検証してより良いものにしていくことが重要で、そこで必要になる他者の視点を、本を読むことで補うようにしていますね。

この角度から見るとどう見えるのか?この人ならどのような施策を打つのか?を想像して、書いてあることをそのまま信じるというよりも、本と対話することが重要だと思います。 

転職市場の偏りをなくす。見せ方で苦労することなく、得られるべき機会が得られる世界へ

-- 最後に、LAPRASで今後どのような市場課題を解決していきたいか、ぜひ教えてください。

すべての求職者が仕事を選ぶ上で、その人の実力にふさわしい機会が得られる世界を実現したいと考えています。今の転職活動の課題として、どれだけ良いスキルがあって、良い経験をしていても、職務経歴書含め、経験や強みをアウトプットしてアピールする力がなければ、良いチャンスの入り口にたどり着くことすらできません。 逆も然りで、本人の実力以上のものを、企業が過大評価してしまうケースもあります。

つまり、求職者がより良い機会を得るには、セルフマーケティング能力が重要な要素になっています。しかし、それは実際に入社して仕事で活躍する際に必要になる能力とは、全く関係のないものです。また、その必要性の故に、転職が面倒なものになってしまっています。このように、本人の実力とは関係のない要素で本人に届くべき機会が届かないという課題を解決していくために、プロダクトを開発し、市場に価値提供していきたいと考えています。

これまでに『LAPRAS』でリリースしてきたポートフォリオや職務経歴書の自動生成機能も、「転職において求職者の見せ方での苦労や機会損失をなくしたい」「その人にとってふさわしい機会がちゃんと届く世界をつくりたい」という思想に基づくものです。今はサービスを提供しているのはエンジニアのみですが、将来的には提供できる範囲をもっと広げていきたいですね。

-- 転職における機会損失をなくした世界の実現に向けて、どのような方と一緒に働きたいと思いますか?

「自分自身の意志でものごとを決めていきたい」という思想を持った方と一緒に働きたいですね。

LAPRASは社員一人ひとりが裁量を持って主体的に働いてもらうために、社員それぞれの役割を可視化し、その役割に対して決裁権を与えるホラクラシー*1という組織体制をとっています。会社に必要な新しい役割を自らつくり出すことはもちろん、どんなポジションの人も自分の意志で事業を大きく動かすことが可能な組織体制です。主体的に仕事を進めていきたい方、自分の意志決定で会社を動かしたい人には天国のような環境だと思います。そういう方と一緒に事業をつくっていけたらと思いますね。

*1 各役割が決定権限を持ち、社内に上下関係が存在しないフラットな組織のこと

橘 明徳(Akinori Tachibana):東北大学工学部卒業後、大手自動車メーカー勤務を経て、よりスピード感の早い環境でプロダクトを開発したいという思いから、IoTスタートアップの開発に従事。その後、成長する企業、事業に最も重要なのは "人" だと言う考えに至り、世界で戦える製品、サービスを日本から生み出すためには、個人が最適な環境で活躍しながら、圧倒的な成長を遂げる環境に時間を投資すべきだと考え、フォースタートアップスに参画。
Twitter : @tachirun

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