「日本の公教育を変えていく」コードタクト取締役COO 半田 博愛氏が築き上げたキャリアと実現したいビジョンへの挑戦。
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「日本の公教育を変えていく」コードタクト取締役COO 半田 博愛氏が築き上げたキャリアと実現したいビジョンへの挑戦。

「個の力をみんなで高め合う『学びの場』を創る」をビジョンに学校教育や企業研修に協働学習クラウドを展開する株式会社コードタクト(以下、コードタクト)。同社の経営戦略の設計から実行までを取締役COOとして担う半田 博愛(Hiroyoshi Handa)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc.のヒューマンキャピタリスト安室朝常と申します。

私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計170名以上のCXO・経営幹部層のご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。

EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

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半田 博愛(Hiroyoshi Handa)
九州大学法学部卒業後、文部科学省に入省。その後株式会社UFJ総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)及びデロイトトーマツコンサルティング合同会社で、一貫して日系大手サービス業を中心に、アジアを中心としたGTM戦略、アライアンス戦略・交渉支援に従事。コンサルティング業務を卒業後は、政府系ベンチャーである株式会社ランドデータバンクに創業メンバーとして参画し、立ち上げを支援。また、認定NPO法人カタリバでのオンライン事業「カタリバオンライン」の事業立ち上げ支援を実行。2020年7月、公教育を変革させていく思想に共感し、コードタクトに経営戦略部長としてジョイン。現在は取締役COOを担う。

「学び」を革新するコードタクトの事業とは

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-- まずはコードタクトの事業について教えていただけますか?

コードタクトでは、”協働学習”や”アクティブラーニング”をテーマに事業を2つ展開しています。

1つが、教育機関及び学習塾向けにブラウザで簡単に協働学習を実現する授業支援システム「スクールタクト」です。こちらは、文部科学省が掲げるGIGAスクール構想(※)が追い風となり、今年度頭に累計100万IDを提供済み、2,000校以上で利用されています。

もう1つが、民間企業向けに提供している人と組織の成長を見える化するジョブトレーニング支援クラウドの「teamTakt」です。オンライン上で双方向のコミュニケーションを実現することができ、リモートワークが広まる中において需要が高まっています。今年の6月に正式リリースし、今は一層のマーケットフィットに向けてサービスを強化している段階です。

※GIGAスクール構想:1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する取組み

-- その中で、半田さんの役割を教えてください。

営業やマーケティング、カスタマーサクセスとビジネス部門全般を管掌し、経営戦略・事業戦略立案から戦略実行支援まで責任を担っています。

私が入社した際は、20名程度だった組織が今は60名強と約3倍の成長を遂げました。
新型コロナウイルスが猛威をふるう前から全社員がフルリモートで業務していたのですが、世界中に社員が散らばっていることもあり、今後もフルリモートを続け、多様な社員が働きやすい環境を大事にしていきたいので、組織の拡大に応じた組織づくりにも尽力しています。

社長の後藤を中心に、もともと経営も、現場も、学校教育や人材育成に対する熱意と知見を持ったメンバーが多く、そこへの共感にもとづいて事業が運営されてきたところが弊社の良さです。それでも組織が大きくなると距離感が生じがちな経営と現場の橋渡しとなるよう意識しながら業務に携わっています。

恩師の言葉をきっかけに、漠然とした想いを行動へ

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-- ファーストキャリアで文部科学省に進まれていますが、当初から教育への関心が高かったのでしょうか。

今では公教育の変革に想いを抱いていますが、実は学生時代から思い描いていたわけではありません。“より豊かな人生を届けられる社会に貢献したい”という漠然とした想いはあったものの、九州の片田舎で育った私は、東京で働くイメージも持っていませんでした。

変わったきっかけは、九州大学時代にお世話になった、厚生労働省から出向されていた助教授から、「九大出身の若者の7割近くは地元に残り、お山の大将になってしまう。親から真っ当に教育を受けさせてもらったからこそ、自分の持つポテンシャルを活かせるように大海を知りなさい。鶏口となるも牛後となるなかれですよ。」と叱咤激励されたことです。一念発起して公務員試験対策を始め、一次試験合格後に就職活動では第一志望だった厚生労働省を受けました。

結局は厚生労働省は落ちてしまい、次に関心のあった文部科学省にご縁をいただくことになりました。

--当初、思い描いた厚生労働省での挑戦ができなくなり、気持ちを切り替えることは難しかったのではないでしょうか?

いいえ、難しくはなかったです。当時の私からすると、日本の中心地である霞ヶ関に行くということすら考えたことがなかったので、霞ヶ関で働くこと自体、十分に貴重な機会に恵まれたと思いました。加えて、“豊かな人生を届けられる社会に貢献したい”という意味では文部科学省も同じだと思いましたので、「ここで頑張ろう」と決意しました。

文部科学省で出会った最初の上司が、教育への想いに火をつけた

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-- 文部科学省に入省されたことが、今の教育業界を変えていこうとの挑戦心に繋がっているかと思いますが、影響を受けた出来事を教えてください。

「ミスター文部省」と呼ばれていた寺脇 研さん(元文部官僚。現映画評論家)との出会いが原点です。寺脇さんは、生涯学習をテーマで政策に携わっておられ、私にとって、はじめての直属の上司でした。

未来の教育のあり方を考え続ける寺脇さんの下で鞄持ちをしながら、生涯学習を通じて全国津々浦々の方々との対話に参加させていただく中で、従来のレールの延長線上では、時代に適合した子供たちの教育の未来を変えることは難しいことを学びました。

-- はじめての上司ということで、仕事へのスタンスも影響を受けたのではないでしょうか?

はい。「どんな状況でも言い訳をせずに、最大限の努力をする」という仕事へのスタンスは寺脇さんから影響を受けていますね。

特に印象的だったエピソードが、2002年に日本映画を46本上映する日韓文化交流のイベントです。そのイベントでは、両国の文化人同士でトークセッションをするのですが、当時はまだFAXの文化で現場からのフィードバックを回収するのにも深夜3〜4時までかかりました。

ハードな状況にも関わらず、寺脇さんは翌日の回までに確認することを徹底されていて、1週間近くも毎日深夜まで働く日々を過ごし、最終日の懇親会で倒れてしまうほどでした。その姿を見た時、「プロフェッショナルはこれほどまでに信念を持つものか」と感銘を受けました。

パブリックサーバントとしての子供たちに対する想いの強さ、そしてプライドを間近で感じられたことは大きいです。

-- 志を共にする部分があろうかと思いますが、寺脇さんとは今もご縁があるのですか?

今でも懇意にさせていただいています。私が文部科学省に在籍していた約2年強、常にお世話になっていましたし、私が退職するときに唯一私のために泣いてくれた方でした。

私の公教育の変革に対する想いのきっかけを作ってくださった方でもあり、とても感謝しています。コードタクトに転職したときも、教育業界に出戻ったことを報告して、食事に行きましたね。

国の経済力に危機感を抱き、省庁を飛び立つ

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-- その後、文部科学省から戦略コンサルへ転職と大きなキャリアチェンジをされていますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

未来を担う根幹であるパブリックセクターにお金が回るように国の経済力を高めていかねばと思い至ったことが省庁を出るきっかけでした。


当時、小泉内閣時代の構造改革により、義務教育費国庫負担金の一般財源化が提案され、教育の地域格差が起きることを懸念する文部科学省は、守りの対応で疲弊しておりました。加えて、厚生労働省でも社会保障費が右肩上がりで、次世代への借金が積み上がっていることに危機感を感じたのです。

-- 当時、直接教育に関わる事業会社は選択肢にはなかったのでしょうか?

事業会社は選択肢にありませんでしたね。当時から「ゆくゆくは経済的側面で、パブリックセクターに貢献したい」と考えていましたが、まずは経営に関するスキルを身につけたく、戦略コンサルティングを選びました。

--その中で、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社とデロイトトーマツコンサルティング合同会社と大手コンサルティングファームを経験されています。期待とのGAPはありましたか?

そうですね。最初の頃は、資料を作成するにも上司が納得するロジックを作ることに苦戦しました。経営知識を身につけようと思い飛び込んだものの、実務で想定以上に泥臭いことが多く、良い意味で面食らいましたね。主には、日系企業の海外展開の事業開発に携わるプロジェクトを担当し、10年以上アジアを中心にハンズオンでのコンサルティング業務を経験させていただきました。

-- その後、株式会社ランドデータバンクに転職された理由は何でしょうか?

ランドデータバンクの出資者であった、株式会社小松製作所の方から、企業立ち上げに誘われたことがきっかけで、追加出資を受けるまで事業を軌道に乗せていくことを目標にピンチヒッターとしてジョインしました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社とデロイトトーマツコンサルティング合同会社の時も、人のご縁で転職しており、自分でキャリアを逆算して設計していたというよりは、人のご縁で紡いでいただいている感覚が強いですね。

コンサル時代に感じた、中国と日本の教育の格差と危機感

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-- なるほど、積み上げたものが結果としてご自身のWILLに接続されているのですね。今のWILLにつながることで特に印象に残っていることはありますか?

コンサルティング会社でグローバルビジネスに触れたことが大きいと思います。例えば、中国でアリババやテンセントなどのプラットフォーマーが急激に成長していく姿を目の当たりにしていました。

その中で、日本人・日系企業のマインドセットが変わらないと、グローバル競争には勝てず、国の経済力は衰退していくと感じ、文部科学省を飛び出した際の危機感を思い返しました。そこを突き詰めていくと、次世代のために、自分の時間を使う領域はやはり教育なのだろうと考えるようになりました。

-- コンサル時代は教育業界に触れる機会があまりなかったと思いますが、変わらずに軸として抱かれていたのですね。

はい。パブリックセクターにコンサルで培った知見を還元するという軸は常に持ち続けており、それがキャリアを重ねていく中でより具体的かつ強くなっていきました。特に中国と日本の教育を比較すると、中国はエリート教育がとてつもなく強く、それが国力に繋がっている。

一方で現在の日本は中国と同様のモデルではなく、競争よりも共創という観点で、いかに教育全体を底上げてしていくかが大事だと思うようになりました。

-- 半田さんのキャリアは人のご縁で広がり、その中でやり切る積み重ねによって、より具体的なキャリアの方向性が見えてきたように思いました。この過程での挫折経験や、それを乗り越えるために大事にしていた価値観を教えていただけますか。

最もブレイクスルーしたポイントはコンサル時代にあります。

昔から自己主張するよりも、相手を優先するタイプだったので、良い案件があっても他の方にアサインを譲っていました。でも、そうすると自分の成長機会が少なくなり、やりたい業務に中々携われない。自分の性格と仕事のバランスで葛藤していた時期がありました。

そんな私の考えが変わったのは30代の頃です。『論語』や『大学』などの東洋思想に触れ内省をしていく中で、“さまざまな揺り戻しの中で人生は形成されていく”のだから、自分のキャリアをどうするかといった小手先のことに拘るのではいけない。

自分の価値観こそ大事にし、社会に役立つことを一つ一つ積み上げていくことこそ尊いのだと自分の中で腹落ちしました。特に、大学の「修身斉家治国平天下」は今の自分の行動原理の基軸となっています。

また、その上で、自分の信条として3つのルールを自分に課しました。1つめは、人に対して真剣にやること。2つめは、誠実であること。3つめは、人を欺かないこと。この軸さえぶれなければ、結果だけでなく、プロセスも含めて周囲に起こったこと全てを受け入れることができ、悔いのない人生を送れているのだろうと感じます。

「公教育を変えたい」という想いとコードタクトとの出会い

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-- 弊社のヒューマンキャピタリスト岡本 麻以の紹介でコードタクト一筋に意思決定されていますが、教育業界の企業がいくつかある中で、どのような点がマッチしたのでしょうか?

コードタクトとは岡本さんに「半田さんの想いと合致し、これまでのビジネス経験を活かせるポジションがある」と紹介いただいて、出会いました。その時に、『「学び」を革新し、誰もが自由に生きる世界を創る』というミッションに共感したことと、当時の会社の課題と自分のスキルセットがフィットしていると感じたことが理由ですね。

実は、当時はコンサルタント時代に身に着けた知見を直接次世代の方々に伝えていくよう、教師になろうと、教員免許を取ることも考えていました。ただ、最終的に文部科学省を出る時に決めていた経営意思決定スキルをパブリックセクターに活用することに立ち戻りました。

民間教育ではいかにCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を謳っていても、マネタイズの難しい領域には積極的に経営資源を割きにくいものです。取りこぼしを作らずに、未来ある次世代の全ての人に光を当てるには、公教育を変えていく必要があります。それが実現できるのがコードタクトだと思いました。

コロナ禍での教育業界の変化とEdTechの課題

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-- コロナ禍によるオンライン需要によって教育業界では大きな変化がここ1〜2年で生じているかと思います。その変化をコードタクトとしてはどのように捉えているのでしょうか?

GIGAスクール構想により、小学校及び中学校を中心に、1人1台PCを持つ時代が到来し、今年度に入り、教育にICTを如何に利活用するかという機運がいよいよ高まってきました。特に期初にデバイスのセットアップやネットワーク整備があったため、通期でICTの利活用の成果が問われる来期に向けて、教育委員会や教育機関などのクライアントコミュニケーション力を強化することが重要と考えています。

-- 社会的なニーズが大きいDXですが、教育業界における実現のために課題に感じられることを教えてください。

継続性が大事だと考えています。EdTechはGIGAスクールなどのキーワードが盛り上がりやすいのですが、その流行の賞味期限が短いように感じます。新たなアプリを現場に入れたところで、現場の意識を変えるまで伴走しなければ意味がありません。

また、現場の先生方が、従来の授業方針・スタイルを起点としつつ、無理なくICTを組み入れていただけるかが非常に重要だと思います。巷で言われるように、教育業界は労働時間が長く、先生方も仕事を効率化したいという気持ちは持っている一方、制度やステークホルダー等外部環境により実現しづらいのが実情です。先生方のご苦労を理解した上で伴走することが大切だと考えています。

日本の教育の当たり前を変えるコードタクトの今後

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-- 今後は、コードタクトでどのような挑戦を描いているのでしょうか?

今年はGIGAスクールが進み、ICTが実装され始めたところです。我々のサービスとしても変化に敏感な先生方を中心に利活用の機運が高まりつつありますので、今後は裾野を広げていくことと、利活用の質を高めることが重要であり、特に来年度までに必要な種まきができるかが勝負だと考えています。

-- その実現のためにこれからのコードタクトにどのような仲間が必要かを教えてください。

子供たちの教育やこれからの日本の在り方、ご自身の成長や人材育成など、何かに対して強い想いや課題感を持ち、主体性を持って業務を推進できる方ですかね。教育・人材育成業界だからといって、必ずしも業界そのものに強い関心を持っている必要はありません。いい意味で遊び心を持ったり、もっと上流の概念として、社会貢献に対する熱意を持っている方々と仕事をしていきたいと考えています。

コードタクトはフルリモートですが、フラットに助け合うカルチャーがあり、Slack上でも声を掛け合うことが習慣化しています。マネジメントとメンバーという縦の関係と、部門間の横の関係をよりフラットにすることで生まれる化学反応で、チーム一丸で公教育の変革に挑んでいきたいと思います。

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安室 朝常(Tomotsune Amuro):大学在学中、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社にて、スタートアップ企業・大企業・官公庁・地方自治体の協業を生み出すピッチイベント”Morning Pitch”の運営等に携わる。大学卒業後、東証一部上場企業の組織コンサルティング企業に就職し、様々な産業、規模の企業の経営に伴走する。クライアントの業績に向き合う中で、既存産業の市場縮小を実感したところ、日本経済の活性化のために、スタートアップの成長が成功要因になると考え、フォースタートアップスに参画。ヒューマンキャピタリストとしてスタートアップスへの採用支援を行い、エンジニア支援専門チームのEP(エンジニアプロデュース)やオウンドメディアのEVANGEを担当する。

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EVANGE - Director : Koki Azuma / Creative Director : Munechika Ishibashi / Writer : Akinori Tachibana, Tomotsune Amuro, Takumi Kubota, Yukiko Ishii / PR : Hitomi Tomoyuki, Megumi Miyamoto / Photographer :Kentaro Watanabe

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