「使われるプロダクトを世の中に届けたい」ヤプリ執行役員CTO佐藤 源紀氏がオーナーシップを追求し続ける中で培った価値基準とは?
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「使われるプロダクトを世の中に届けたい」ヤプリ執行役員CTO佐藤 源紀氏がオーナーシップを追求し続ける中で培った価値基準とは?

"Mobile Tech for All"をミッションに、プログラミング不要でアプリ開発を実現する『Yappli』を提供する株式会社ヤプリ(以下、ヤプリ)。同社のプロダクト開発やエンジニアの組織作りを執行役員CTOとして牽引する佐藤 源紀(Genki Sato)氏のキャリア形成、企業選択の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。for Startups, Inc.のヒューマンキャピタリスト安室 朝常と申します。

私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計650名以上のCXOを含むハイレイヤーや経営幹部クラスのご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。

EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

​​佐藤 源紀(Genki Sato)
東京大学大学院・工学系研究科を卒業後、新卒で株式会社ディー・エヌ・エーへ入社。サーバーサイドエンジニアとして、ヒットモバイルゲームタイトルの開発を担い、その後、インフラ部門に異動し新規事業において設計・構築・運用を担う。リーディング・責任者・マネージャーを歴任した後、株式会社Kyashへ入社。事業全体を俯瞰するエンジニアとして、サーバーサイド・インフラ・採用と幅広い役割を担当。2018年6月にヤプリへ入社。サーバーサイドエンジニアおよびテックリードを務め、2021年1月よりプロダクト開発本部 本部長を担う。2022年1月に執行役員CTOに就任。

ヤプリの目指す世界観と佐藤CTOの役割

-- まずは、ヤプリの事業内容を教えてください。

多くの方々がスマートフォンを肌身離さず持ち歩いている現代において、アプリを通じて、適切なタイミングでユーザーへ必要な情報を届けることに、大きなビジネスチャンスがあります。一方で、マーケットにはそれを実現するためのエンジニアが不足しているという課題がある。ヤプリは、ノーコードでアプリを開発・運用・分析できるプラットフォームを提供することで、その課題を解決していく"Mobile Tech for All"のミッションに取り組んでいます。

-- たしかにモバイルエンジニアの数が足りないとの声はよく耳にします。ヤプリでの佐藤さんの役割を教えていただけますか?

2022年1月より前任の佐野(現取締役)からCTOを引き継ぎ、今はまだ手探り状態というのが正直なところです。

これまでは、プロダクト開発本部の本部長として、ミッションの実現に向けていつまでに何をどのように進めていくのか、開発現場を担うエンジニアをマネジメントし、クオリティを追求していくことが私の役割でした。

今後は、佐野が築いてきたエンジニア組織の良さを引き継ぎつつ、自分の得意なところで会社に貢献しながら、私ならではのCTOとしての役割を果たしていきたいと思います。

“楽しい”を仕事に。エンジニアリングの面白さを追求した学生時代

-- 佐藤さんがエンジニアとしてキャリアを築いていくストーリーを遡らせてください。まずは、エンジニアリングに関心を持ったきっかけを教えていただけますか?

最初のきっかけは小学校高学年の頃に、パソコンを手に入れたことでした。

苦手な科目でA評価を取ることを条件に、父にパソコンを買ってもらいました。当時のパソコンは、電話回線にもインターネットにも繋がっていませんでしたが、触るのが楽しくて、自分で専門誌を買って色々と試すようになりました。

中学校に入ったタイミングでWindows95が発売され、インターネットも普及しはじめたので、ホームページを作ったりメーリングリストで情報交換をしたりと、インターネットを介して人と繋がる面白さを知り、どんどんのめり込んでいきました。高校生の頃には、モノを作ることに興味がわき、掲示板やチャットツールを自分で作るようになりました。

-- 当時からエンジニアを仕事にすることを目指していたのでしょうか?

いいえ、仕事にしたいと思ったのは、大学生時代にプログラミングを教えるアルバイトを始めた頃で、それまでは趣味の範囲でした。自分でコードを書いたとしても、それが仕事になるレベルとは思っていなくて。例えるなら、プロのサッカー選手と、公園でサッカーを仲間内の遊びでやっている人ぐらいの差があると思っていました。

-- そこからどのようにエンジニアを仕事として考えるようになったのですか?

せっかくだったら「自分の好きなことがしたい」というシンプルな思いで始めたアルバイトでしたが、実際にやってみるとチーム開発の醍醐味である技術の広がり、開発のスピードと品質の高さに圧倒されました。同時に複数の会社でのアルバイトを通して、それぞれの開発スタイルの違いやサービスの特性も感じることができました。これらの経験を通して自分自身のスキルアップにつながっている実感も持てましたし、何より「エンジニアリングは楽しいから仕事にしたい」というモチベーションにつながっていったのだと思います。

事業の視点を培うために、幅広い経験を自ら取りに行く

-- 学生時代の想いを叶えるべく、新卒では優秀なエンジニアを多数輩出している株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)に入社されていますが、DeNAを選ばれた背景を教えてください。

就職活動では、IT業界も含めてコンサルや金融も受けていた中で、一緒に働きたいと思う人が最も多くいたのがIT企業でした。そして、IT企業のうちSIerは「言われたものしか作れないこと」と「上流から下流に一貫して携われないこと」から、自社サービスを持つ企業を探していく中で、DeNAに出会い、惹かれました。

-- 2010年のDeNAは、ソーシャルゲームの勢いがとてつもなかった印象です。そのように会社が急成長している中で、佐藤さんはどのような目標を持たれていたのでしょうか?

両親が塾の経営をしていた影響もあり、当初は起業も視野に入れていました。ところが、2年目にDeNAがベイスターズを買収した際に、考えが変わりました。当時の買収について、私は事業への好影響に懐疑的だったのですが、実際には認知度向上と大きな収益をもたらし、自分の視野の狭さを感じ、自分は経営には向かないと身にしみて思いましたね。

-- DeNAでは、入社当初サーバーサイドに携わり、その後、インフラ部門への異動やマネジメントなど多様な経験をされていますが、意図されていたのでしょうか?

起業の次に考えたのが、視野の広いメンバーとともにエンジニアリングを武器に事業を作れる人材になりたいということでした。事業を営む上で必要となる技術領域が広いことは肌で感じていたので、それ以降はエンジニアとしてよりジェネラリストの道を追求するようにしていました。

一つの領域を突き詰めていくエンジニアのキャリアもありますが、私は事業視点を培っていきたいと考えていたので、サーバーサイドやインフラ周りなど、極力経験の幅を広げる機会を得るようにしていました。その観点でDeNAでは、ビジネスサイドのみならずエンジニアまでもが数字にこだわる文化だったので、仕事の成果に対する考え方が身に付きました。

会社経営に近づくためにスタートアップへ飛び込み、自身の介在価値を考える

-- そんな中、なぜDeNAからの転職に思い至ったのでしょうか?

DeNAは、比較的会社の情報を取りに行きやすい環境でしたが、それでも規模が大きくなるにつれて、意思決定の背景を肌身で感じることが難しい側面がありました。そんな状況だったこともあり、もっと規模感が小さい会社で、会社の意思決定にも携わっていきたいと思うようになりました。

-- そこで当時10名規模の株式会社Kyash(以下、Kyash)への転職を考え始めたのでしょうか?

当時は特に転職活動はしておらず、Kyashとの出会いは友人の紹介でした。

遊びに行く感覚で、マンションの一室にあったオフィスを訪ねて、プロダクトのプロトタイプを見せてもらい、「コレだ」と惹かれたことが決め手になりました。プロダクトのミッションにも惹かれましたし、何より「自分はこのプロダクトの一番のユーザーになれる。だからこそ、自分がこのプロダクトを磨き込んでいきたい」と心から思い、入社を決断しました。

-- 実際に飛び込んでみていかがでしたか?

自分ができることを尽くして、会社が目指す世界観に近づいていくことの面白さを感じましたね。当時は人が少なく、明確な役割の切り分けもなかったので、想定以上にたくさんのボールがあり、会社運営を考えながら意識的に色々なボールを取るようにしていました。

一方で、自分が会社に影響を及ぼすパーセンテージが高まった実感があった反面、同じゴールを目指す過程でどのようなプロセスを選ぶのか、少ない人数でもその価値観をすり合わせる難しさを実感しました。会社への影響度が高まったからこそ気づけた部分だと思います。

社会も自分の人生もwin-winとなるキャリアとの出会い

-- そんな中、弊社の代表の志水 雄一郎よりヤプリをご紹介させていただきましたが、for Startupsにコンタクトされた経緯を教えていただけますか?

志水さんのことは、「優秀な人を素晴らしい会社の輝かしいポジションに紹介する人」とざっくりとした評判を耳にしていて、元々関心を持っていました。そんな中、志水さんからスカウトが届いたので、話を聞いてみようとご連絡したのですが、その面談が印象的でしたね。

アメリカの経済成長に対して日本はどうかと、成長産業の構造と成長企業へ行くことによって得られること、求められていることについてお話しされ、その上で志水さんの「日本を良くしたい」という想いを受け、社会も自分の人生もwin-winとなるキャリアの選択肢に「なるほど」と思いました。そこで、紹介されたいくつかの企業の中にヤプリがありました。

-- どのような軸で転職先を選ばれたのでしょうか?

三つあります。一つ目が事業に共感できるか。二つ目が会社が直面している課題に対して自分が貢献できるイメージを持てるか。三つ目がカルチャーやメンバーの雰囲気です。

ヤプリは公開情報が少なく関心を持ちづらかったので、最初は志望度が一番低かったのですが、CEOの庵原や、取締役の黒田、当時のCTO佐野と実際に会って話す度に「この人たちと面白い挑戦がしたい」と惹かれていきました。

そして、いくつかの企業を比較検討していく中で、CTOの佐野から「プロダクトやエンジニア組織の課題を解決するために、好きに挑戦してほしい」との期待をかけられ、その挑戦のハードルの高さに魅力を感じたことと、ある程度裁量を持って課題に向き合える環境と思えたことが、入社の決め手になりました。

マーケットからの反応を感じながらプロダクト開発を進める視点

-- DeNA、Kyash、ヤプリと規模の異なる3社を経験して、どんなことを感じましたか?

3社とも素晴らしい企業でしたが、相対比較で整理すると、会社規模が大きいと社会に対する事業インパクトも大きくなるが、経営の意思決定の背景が見えづらい。規模が小さいと経営に近づくことはできるが、社会に対するインパクトを高めることが難しい。入社当時のヤプリは80名規模で、事業が大きく伸びていくフェーズにあり、経営陣と議論しながらプロダクトの方向性や組織作りにしっかり入り込むことができたため、社会へのインパクトと意思決定のバランスがちょうどよかったと思います。

-- ご自身の事業への関わり方に加えて、社会へのインパクトも佐藤さんにとっては重要な価値基準だったのですね。いつ頃から意識されるようになったのでしょうか?

振り返ると、DeNAでソーシャルゲームを作っていたことが自分のエンジニアとしての価値観のベースにあるのかもしれません。どれだけの利用者がいて、どれだけのユーザーに満足されているのか。いわゆるマーケットからの反応を数字で捉え、それを改善するためにプロダクトの開発を重ねていく中で、自ら手がけるプロダクトの価値を世の中に届けたいと、自然と社会へのインパクトを重視するようになっていました。

-- ヤプリは2020年12月に上場を果たされていますが、社会に対するインパクトが変わった実感はあるのでしょうか?

チャーンレートなどの数字面でもマーケットの信頼が高まっていることをひしひしと感じますし、日常においても、電車の中でYappliで作ったアプリを利用しているユーザーを見かけると、やはり社会に対するインパクトが出せていると感じ、とても嬉しいです。

個々のエンジニアのWILLがヤプリのミッションに接続される組織を創る

-- 佐藤さんご自身はこれまでジェネラリストとして幅広い経験を積まれてきましたが、CTOとしてヤプリのエンジニア組織では、メンバーにどのようなキャリアを実現してほしいとお考えですか?

スペシャリストやジェネラリストで偏っている必要はないと思っていて、採用段階でもキャリアの方向性ではなく、ヤプリのビジネスポテンシャルを信じてくれる人を重視しています。

CTOとしては、各メンバーがやりたい挑戦と仕事をうまくマッチさせ、個々人のWILLがヤプリのミッションに接続されたエンジニア組織にしていきたいですね。

-- ミッションに接続できる組織を創るために、こだわっているポイントはありますか?

自分自身の実体験を踏まえて、同じゴールを見据えていても、そこに向かうプロセスでお互いの考え方が異なると、仕事を前に進めることは難しいと考えています。例えば、時間軸の捉え方、優先順位、追うべき指標など、細かな粒度で認識を揃えることができるかどうかが重要です。私がヤプリに入社した際にもそういった課題はありましたが、一つ一つ丁寧に組織内で認識を合わせていくことは特に意識しています。

-- CTOに就任されて、DeNA時代に目指していた経営者を担うとの目標を実現されている印象です。

役割としては近づくことができていますが、私個人の経営人材としてのスキルはまだまだ十分とは思っていません。

だからこそ、ヤプリをここまで成長させた庵原や佐野を中心に、そのノウハウを吸収していきたいと考えています。

"Mobile Tech for All"の実現に向けて

-- 最後に、これからヤプリで成し遂げたいことを教えてください。

ミッションの実現に突き進みたいと思っています。これまでは、主にエンタープライズ向けにアプリ施策を支援していましたが、今後は中小企業のお客様にもアプローチできるように機能開発を進めていきます。

また、私たちが提供するソリューションは世界でチャレンジできるポテンシャルがあるので、多くの企業がアプリ開発を通じて可能性を広げられる基盤をつくっていきたいですね。

-- ミッションの実現に向けて、どのような方に入社してほしいですか?

これからのヤプリは、プロダクトに様々な機能を加えていくための試行錯誤が必要です。今の組織は「今のヤプリのビジネス」に最適化されており、まだまだ進化しなければなりません。

様々な取り組みが同時並行で走ることになるので、自分の専門領域にこだわるのではなく、「ミッション実現のためなら、ここもやりますよ」と幅広い興味を持って主体的に動いてくれる方に、ぜひ来ていただきたいと思います。

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安室 朝常(Tomotsune Amuro):大学在学中、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社にて、スタートアップ企業・大企業・官公庁・地方自治体の協業を生み出すピッチイベント”Morning Pitch”の運営等に携わる。大学卒業後、東証一部上場企業の組織コンサルティング企業に就職し、様々な産業、規模の企業の経営に伴走する。クライアントの業績に向き合う中で、既存産業の市場縮小を実感したところ、日本経済の活性化のために、スタートアップの成長が成功要因になると考え、フォースタートアップスに参画。ヒューマンキャピタリストとしてスタートアップスへの採用支援を行い、エンジニア支援専門チームのEP(エンジニアプロデュース)やオウンドメディアのEVANGEを担当する。

EVANGE - Director : Koki Azuma / Creative Director : Munechika Ishibashi / Writer : Tomotsune Amuro / Editor:Hanako Yasumatsu、Akinori Tachibana 、Yukiko Ishi/ PR : Hitomi Tomoyuki, Megumi Miyamoto / Photographer : Takumi Yano

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